過少申告加算税とは、期限内にはきちんと税金の申告をしたけど、正しい納税額よりも少ない金額を申告していた時にペナルティとして追加で加算されてしまうことがある税金です。
税率は5~15%で、本来納めるべき税金との差額に税率をかけて追加で納める過少申告加算税が計算されます。
足りなかった分の税金に税率がかけられるのでそこまで大きな金額にはならないのですが、それでも余計に納めることになるペナルティ的な税金ですから、確定申告は期限内に正しく行って過少申告加算税が発生することがないように気を付けておきたいですね。
今回は、過少申告加算税の税率や計算方法と過少申告加算税以外の追徴課税の簡単な概要をお伝えしていきたいと思います。
この記事で分かること |
❶ 過少申告加算税の税率や計算方法 ❷ 過少申告加算税以外の追徴課税の種類と税率 |
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過少申告加算税の税率と計算方法
それでは最初に、過少申告加算税がどのような時に発生するのかをもう少し詳しくご説明して、税率や実際に納める追加の金額も例を挙げながらご説明したいと思います。
過少申告加算税はどういう時に発生する?
冒頭でもお伝えしたように、過少申告加算税は本来正しい計算で求められた納税額よりも少なく税金を申告した時に課せられるペナルティです。
本来の税金よりも少なく申告した場合ということですが、もっと具体的に言うと、計算ミスや計算方法の相違などの過失で少なく申告した場合が過少申告加算税の対象となります。
同じ少なく税金を申告したと言っても、所得を隠して少なく申告したり経費を水増しして申告した場合(つまり故意に)、重加算税と言って、さらに税率が高い追徴課税が課されることになります。
過少申告加算税の税率
過少申告加算税の税率は、本来納めるべき税金の足りない分に5~15%の税率をかけて金額を求めます。
この税率は、税務調査が入ったり通知がされたり、正しい納税額を申告し直したタイミングで変わります。もし自分で気づいて早めに正しく申告しなおせば過少申告加算税が発生しないこともあります。
修正のタイミング | 税率 |
税務調査通知前 | なし |
調査通知後から更正の予知まで | 5・10% |
更正の予知以降 | 10・15% |
足りない税金の額でも税率が変わる
また、上の表では税率が2種類ありますが、これは不足している税金の額で税率が違ってくるからです。
不足して税金額が50万円までならばそれぞれ低い税率になり、50万円を超える部分はそれぞれの高い税率で計算します。この説明だけだと少し分かりにくいかと思いますので、後ほど例を挙げてご説明します。
過少申告加算税がかからないケース
上でもお伝えしていますが、過少申告加算税は自分で納税額の間違いに気付いて正しい金額で申告し直せば追加で発生することなく終了することもあります。
いつまでが期限かと言いますと、上の表にある税務調査の通知がされるまでです。
税務調査の通知は、具体的に確定申告からどれくらいしてからされるという決まりが無いので、本当にいつ訪れるかもしくは訪れないかすら分かりません。
一度確定申告が終わってしまえば、後で振り返るような事も滅多に無いでしょうし、間が空けば空くほど再確認にも時間がかかってくるでしょうから、少しでも税金計算に自信が無かった方はなるべく早くに一度再確認してみると良いかもしれません。
延滞税が別途発生する
過少申告加算税を計算する時に気を付けることが、過少申告加算税が発生してもしなくても延滞税が別途発生しているということです。下でご説明する過少申告加算税と併せて延滞税分も追加で修正申告を行います。
延滞税とは、言わば本来納めるべき税金が納付期限から遅れていた時に追加で発生する税金で、納めるべき税金に税率と延滞した日数/365日をかけて金額を出します。
過少申告加算税の場合、足りなかった残りの税金額に延滞税の税率をかけます。
過少申告加算税の計算方法と計算例
ここまで過少申告加算税の税率などについて文章でご説明しましたが、こちらでは具体例を挙げながら解説していきたいと思います。
税務調査の通知後に納税額60万円の不足が発覚
まず、60万円の税金が足りていなかったという事が税務調査後に分かったとしましょう。
この場合の税率を振り返ると、50万円までの部分=5%、50万円を超えた部分=10%となります。
3万5,000円が過少申告加算税として余分に納める税金となってしまいます。
更正の予知以降に納税額100万円の不足が発覚
更正の予知以降の修正だった場合、さらに税率が上がります。
50万円までの部分=10%、50万円を超える部分=15%
かなりの金額が追加で課されてしまうことになりますね…。
ちょっとした計算方法の勘違いやミスで余計な追加の税金が課せられてしまうことはバカバカしいですので、早めに確定申告の準備を取り掛かり、確定申告の時期にギリギリで提出するのではなく一度は確認して提出できる流れにすると良いでしょう。
過少申告加算税以外のペナルティ的な追徴課税
ここまで過少申告加算税のご説明をしてきましたが、過少申告加算税以外にもペナルティ的な追加の税金としていくつかの追徴課税というものがあります。
こちらでは過少申告加算税以外の追徴課税について簡単にご説明したいと思います。
無申告加算税
無申告加算税とは、そもそも確定申告の期限内に申告しなかった場合に発生する追徴課税です。
期限後1ヵ月以内に自主的に申告すれば無申告加算税から免除される猶予期間はありますが、それ以降は10~20%の税率が払うべき税金にかけられて追加で増えることになります。
申告事態をしていないということは、過少に申告する以前の問題ですので税率も高いです。
【関連記事】
「無申告加算税の税率や計算例と無申告加算税を回避する方法」
延滞税
延滞税は、決められた納税期限までに税金を納めていない時に発生する追加の税金で、納める税金に税率と延滞した日数/365日をかけて金額を求めます。
過少申告加算税が生じる場合、足りていなかった部分の税金は納税期限を超えていたことになってしまいますので、必然的に延滞税も発生してくることになります。
延滞税の計算方法は少し複雑なので、こちらでは触れませんが、50万円の税金を3ヶ月ほど延滞して6,000円と、そこまで大きな金額にはなりません。
延滞税の詳しい計算やシミュレーションは「延滞税の計算方法|国税庁」を参考にしていただければと思います。
【関連記事】
「延滞税の税率や計算方法を例付きで解説」
不納付加算税
個人事業主の方でも従業員を雇って給与を支払っている場合、源泉所得税を国に納めているでしょうが、源泉所得税の納付期限を1日でも超えてしまうと不納付加算税が発生します。
不納付加算税は、税務署から指摘を受ける前に自主的に納付しても源泉所得税から5%が追加されてしまいます。税務署から指摘を受けた場合は10%になります。
重加算税
重加算税は、所得を故意に低く申告したり架空の経費を水増しした場合に課される税金です。
故意に納税額を減らそうとしている人に対して課される追徴課税なので税率も高いです。
発覚した場合、本来納めるべき税金に35%の税率をかけて重加算税の額が計算されます。さらに、申告期限にも間に合っておらずに無申告加算税にも該当するような場合は40%の税率にまで上がります。
【関連記事】
「重加算税が課せられるような行為と税率・計算方法」
追徴課税は必要経費にできない
追徴課税は、過少申告加算税のようなちょっとした間違いから追加されるものから、重加算税のように故意に脱税のようなことをしていた場合に課されるものまで種類も税率もいくつかあります。
ただ、共通している言えることは、本来納めるべき税金よりも多くの増えた余計な支払いということです。
「何とか少しでも取り返したいから追徴課税を経費に…!」と、考えた方もいるかもしれませんが、残念ながら追徴課税のような罰則的な意味がある支払いを経費にすることはできません。
繰り返しますが、追徴課税は本当に余計な支払いです。そのような無駄が生じないように、確定申告は余裕を持って1度確認して完了させるようにしましょう。
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まとめ
今回は、過少申告加算税についてご説明しました。
間違いを修正したタイミングで、5~15%の税率が足りなかった税金額にかけられて金額が決まります。
また、早めに気付いて自分で修正申告をすれば過少申告加算税が発生しないこともあります。
確定申告は1度自分で確認して完了させる習慣を付けておきましょう。
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