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投資家の経費はどこまで認められる?原則NG・例外OKの判断基準を徹底解説

株式投資やFX、仮想通貨などで利益が出始めると、「投資家でも経費を計上できないのか?」と疑問に思う人は少なくありません。「書籍代やセミナー代、パソコン代、通信費、自宅家賃まで」ネット上には「これは経費になる」「開業届を出せば大丈夫」といった情報があふれていますが、実際には多くの投資家にとって経費計上は原則認められていません

その理由は、投資の多くが税務上「事業」ではなく、雑所得や譲渡所得として扱われるためです。事業所得でなければ、そもそも経費という考え方が成立しません。開業届を出したからといって、状況が自動的に変わるわけでもありません。

ただし、すべてが完全に否定されるわけではなく、投資の形態や所得区分、活動の実態によっては例外的に認められるケースも存在します。重要なのは「経費にしたい」ではなく、「税務上どう判断されるか」を基準に考えることです。

この記事では、「投資家 経費」というキーワードで多くの人が誤解しやすいポイントを整理しながら、経費が原則NGな理由、例外が成立する条件、税務リスクを避ける考え方を分かりやすく解説していきます。

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目次

投資家は経費を計上できる?結論から整理

結論から言うと、多くの投資家は経費を計上できません
株式投資やFX、仮想通貨などによる利益は、税務上「事業」ではなく、雑所得や譲渡所得として扱われるのが原則だからです。経費という考え方は、事業所得に付随する制度であり、投資行為そのものには当てはまりにくい構造になっています。

インターネット上では「投資家でも経費は使える」「開業届を出せば経費計上できる」といった情報も見られますが、これらは一部の例外や誤解を含んだものが多く、安易に真似すると申告リスクを高めてしまいます。まずは、投資家が税務上どの立場に置かれているのかを正しく理解することが重要です。

「投資家」とは何を指すのか(税務上の立ち位置)

一般的に「投資家」とは、株式やFX、仮想通貨などの金融商品を売買して利益を得ている人を指します。しかし、税務上は「投資家」という区分は存在せず、所得の種類(所得区分)によって扱いが決まります

投資家の多くは、次のいずれかに該当します。

  • 株式投資の売却益 → 譲渡所得
  • FX・仮想通貨の利益 → 雑所得

これらはいずれも事業所得ではなく、専業・副業を問わず原則として事業とは認められません。取引回数が多い、金額が大きい、生活費を投資収益で賄っているといった事情があっても、所得区分が自動的に変わることはありません。

また、「専業投資家」「プロトレーダー」といった肩書きは、税務判断にはほとんど影響しません。税務署が重視するのは、

  • 自己資金の運用か
  • 第三者に対するサービス提供か

という実態ベースの判断です。この点を誤解すると、経費計上を前提とした危うい申告になりやすくなります。

投資は原則「経費にならない」理由

投資に関する支出が原則として経費にならない理由は、投資が事業所得として扱われないためです。事業所得では、収入を得るために直接必要だった支出を経費として差し引けますが、雑所得や譲渡所得にはこの仕組みが基本的にありません。

投資家が経費にしたいと考えがちな支出には、次のようなものがあります。

  • 投資関連の書籍代・セミナー代
  • パソコン・スマホ・通信費
  • 自宅家賃や光熱費の一部

これらは「投資に役立っている」という実感があっても、税務上は生活費や自己研鑽費用と判断されやすく、経費性が否定されるケースが多くなります。特に家事関連費は私的利用との線引きが難しく、否認リスクが高い代表例です。

税務では、「利益を出すために必要だったか」ではなく、「税法上、控除を認める根拠があるか」が判断基準になります。このズレを理解していないと、思わぬ指摘を受ける可能性があります。

例外的に経費が認められる考え方

投資は原則として経費になりませんが、投資とは別に事業が成立している場合には、例外的に経費が認められる余地があります。重要なのは、投資そのものではなく、どこから収益が生まれているかです。

例えば、次のようなケースです。

  • 投資情報を発信し、広告収入や会員費を得ている
  • 投資ノウハウを教材やコンサルとして提供している

この場合、収益源は「情報提供事業」であり、その事業に直接必要な支出であれば、経費として検討されます。一方、単に投資成績を上げるための支出は、事業との直接性が弱く、経費として認められにくくなります。

つまり、判断基準は

  • 投資で儲けているか
    ではなく、
  • 事業収益と支出が明確に対応しているか
    という点です。例外は存在しますが、ハードルは高く、慎重な判断が必要です。

投資家の所得区分と経費の関係

投資家が経費を計上できるかどうかは、「専業か副業か」「利益額が大きいか」ではなく、どの所得区分に該当するかで決まります。投資に関わる所得は主に「雑所得」「譲渡所得」に分類され、事業所得とは制度上の前提が大きく異なります。

同じ投資行為でも、所得区分を誤って理解すると、経費計上の可否を誤認しやすくなります。まずは、それぞれの所得区分の違いを整理することが重要です。

雑所得・譲渡所得・事業所得の違い

投資家に関係する主な所得区分は次の3つです。

所得区分 主な対象 経費の考え方
雑所得 FX・仮想通貨 原則として包括的な経費計上は不可
譲渡所得 株式の売却益 取得費・売却手数料のみ控除可
事業所得 事業活動による収入 事業に必要な支出を経費計上可

雑所得や譲渡所得では、事業所得のように日常的な支出を幅広く経費にする考え方がありません。この点が、投資家に経費が認められにくい最大の理由です。

所得区分によって経費可否が変わる理由

経費が認められるかどうかは、「何に使ったか」よりも先に、どの所得に紐づく支出かが問われます。事業所得は、利益計算の過程で経費控除を前提とした制度ですが、雑所得・譲渡所得はそうではありません。

例えば、投資関連の書籍代は、事業所得であれば業務関連費として検討される余地がありますが、雑所得の場合は自己研鑽とみなされやすくなります。このように、同じ支出でも所得区分が違えば扱いが大きく変わります。

「投資に必要だった」という主観的な説明だけでは不十分で、税法上の枠組みの中で説明できるかどうかが重要です。

「投資家=事業所得」と誤解されやすいポイント

投資家が事業所得と誤解されやすい理由には、次のようなものがあります。

  • 取引回数や金額が多い
  • 専業で投資をしている
  • 開業届を提出している

しかし、これらはいずれも事業所得を決定づける要素ではありません。税務上は、自己資金を運用しているだけなのか、第三者に価値を提供する事業なのかが重視されます。

特に、「開業届を出せば事業になる」という誤解は非常に多く、経費を安易に計上してしまう原因になります。開業届はあくまで届出書類であり、所得区分を変更する効力はありません。

投資家が経費を考える際は、「事業っぽいか」ではなく、税法上どの所得に該当するかを基準に判断することが不可欠です。

金融商品別|投資家の経費扱いの基本ルール

投資家の経費可否は、金融商品ごとに判断ルールが異なります。ただし共通しているのは、「事業としての経費」ではなく、所得計算上の控除がどこまで認められるかという視点で整理されている点です。株式、FX・CFD、仮想通貨、投資信託・NISAでは、控除できる費用の範囲や考え方が異なるため、商品別に正しく理解しておく必要があります。ここでは、投資家が誤解しやすいポイントを中心に、基本ルールを整理します。

株式投資の経費はどこまで認められる?

株式投資の利益は原則として譲渡所得に分類されます。譲渡所得では、事業所得のように幅広い経費を差し引くことはできず、控除できるのは譲渡に直接対応する費用のみです。

具体的に認められるのは、次のようなものです。

  • 株式の取得価額
  • 売買手数料
  • 名義書換料など、売買に直接付随する費用

一方で、投資判断のための書籍代やセミナー代、パソコンや通信費などは、たとえ投資に役立っていたとしても、譲渡所得の計算上は控除できません。これらは「売却益を得るために直接必要だった費用」とはみなされないためです。

また、特定口座(源泉徴収あり・なし)を利用している場合、証券会社が自動的に取得費や手数料を反映してくれるため、別途「経費計上」を意識する場面はほとんどありません。株式投資においては、経費を使う発想そのものが馴染まない点を押さえておくことが重要です。

FX・CFDの経費の考え方

FXやCFDの利益は、原則として雑所得に分類されます。雑所得では「必要経費」という概念はありますが、事業所得のように包括的な経費計上が認められているわけではありません。

FX・CFDで控除対象になりやすいのは、次のような取引と直接対応する費用です。

  • 取引手数料(スプレッドを除く明示的手数料)
  • 取引ツール利用料(明確に課金されているもの)

一方で、投資関連の書籍代、セミナー代、パソコンやスマホ、通信費などは、「投資のために使っている」という理由だけでは経費性が認められにくくなります。特に私的利用と併用している支出は、雑所得では線引きが厳しく見られます。

「FXは雑所得だから経費が使える」と誤解されがちですが、実際には認められる範囲はかなり限定的であり、事業的な経費計上を想定するとリスクが高くなります。

仮想通貨投資の経費の注意点

仮想通貨取引による利益も、原則として雑所得に分類されます。考え方はFXと近いものの、仮想通貨特有の注意点があります。

仮想通貨の場合、利益計算では、

  • 取得価額
  • 売却時の手数料
  • 交換時の取引コスト

といった、取引に直接関係する費用は損益計算に反映されます。一方で、マイニング用機材や電気代、情報収集のための支出などは、投資目的である限り、経費として認められにくい傾向があります。

また、仮想通貨は価格変動が大きく、取引回数も多くなりがちなため、「これだけやっているなら事業では?」と感じやすい分野です。しかし、自己資金で売買している限り、所得区分は雑所得のままであるケースがほとんどです。安易に事業所得前提で経費を計上するのは危険です。

投資信託・NISA口座で経費は使える?

投資信託の利益も、基本的には譲渡所得として扱われます。そのため、株式投資と同様に、取得費や売却に直接かかる手数料以外を経費として差し引くことはできません。

特に注意が必要なのがNISA口座です。NISAは、そもそも利益が非課税となる制度であり、税金を計算しない代わりに、損失や経費の概念が存在しません。NISA口座内で発生した費用を、他の課税口座の所得と相殺することもできません。

整理すると、次のようになります。

  • 課税口座の投資信託:取得費・売却手数料のみ反映
  • NISA口座:非課税だが、経費・損失通算は不可

「非課税だから経費も関係ない」と理解しておくと、混乱を避けられます。投資信託やNISAは、経費で調整する投資ではなく、制度そのものを活用する投資だと考えるのが適切です。

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投資家が経費にできないもの・できると誤解されがちなもの

投資家が経費について調べる際、特に誤解が多いのが「投資に役立っている=経費になる」という考え方です。実際には、税務上は投資行為と直接対応していない支出は、ほとんどが経費として認められません。特に書籍代やデバイス類、住居費などは、経費にできると誤解されやすい代表例です。ここでは、否認されやすい支出を具体的に整理します。

書籍代・セミナー代は経費になる?

投資関連の書籍代やセミナー代は、「投資判断に必要」「利益を出すために勉強している」という理由から、経費にできそうだと考えられがちです。しかし、投資による所得が雑所得や譲渡所得である限り、これらの支出は原則として経費にはなりません

税務上、書籍代やセミナー代は、事業に直接必要な支出ではなく、自己研鑽や知識向上のための私的支出と判断されやすい項目です。たとえ内容が投資に特化していても、「売却益を得るために直接必要だった費用」とは認められにくいのが実情です。

例外として、投資に関する情報発信や教育を事業として行っており、その収益と明確に対応している場合には、経費として検討される余地があります。ただし、単に「投資がうまくなるため」の書籍やセミナーでは、この条件を満たしません。投資家が最も誤って経費計上しやすいポイントの一つです。

パソコン・スマホ・通信費の扱い

パソコンやスマホ、インターネット回線などは、投資に不可欠なツールであるため、経費にできると考えられがちです。しかし、これらも原則として経費にはなりません

理由は明確で、これらの支出は投資専用ではなく、私的利用と混在しているケースがほとんどだからです。雑所得や譲渡所得では、事業所得のように家事按分を前提とした経費計上が制度上想定されていません。そのため、「投資にも使っている」という理由だけでは不十分です。

例えば、投資専用として完全に切り分けた回線や端末であっても、投資自体が事業と認められていなければ、経費性は否定されやすくなります。パソコンや通信費は、実務上も否認されやすい支出であり、慎重な判断が必要です。

自宅家賃・光熱費が否認されやすい理由

自宅で投資を行っている場合、家賃や光熱費の一部を経費にできないかと考える人もいます。しかし、これは否認リスクが非常に高い支出です。

家賃や光熱費は典型的な家事関連費であり、私的利用との区別が極めて難しいため、投資家の経費としてはほぼ認められません。仮に投資専用スペースがあったとしても、雑所得や譲渡所得では、事業所得のような合理的な按分が前提とされていません。

「自宅で作業している=事業」と短絡的に考えるのは危険です。住居費を経費にしようとする行為は、税務署から見て意図的な過大計上と判断されやすく、注意が必要です。

開業届を出した投資家なら経費にできる?

投資家の経費に関する話題で、特に誤解が多いのが「開業届を出せば経費が使えるようになるのではないか」という点です。結論から言うと、開業届を提出しただけで経費計上が可能になることはありません。開業届はあくまで「事業を開始したことを届け出る書類」であり、投資による所得の区分や、経費の可否を決定する効力は持っていないためです。重要なのは書類の有無ではなく、投資が税務上どの所得に該当し、どのような実態で行われているかです。

開業届を出しても経費扱いは原則変わらない

開業届を出したとしても、投資による利益が雑所得や譲渡所得に該当する限り、経費の扱いは原則として変わりません。開業届は、事業開始の事実を税務署に知らせるためのものであり、所得区分を事業所得に変更する書類ではないからです。

そのため、投資家が開業届を提出したことを理由に、書籍代、セミナー代、通信費、家賃などを経費として計上すると、税務上は不自然な申告になりやすくなります。税務署は「なぜこの所得区分で、この経費が計上されているのか」という整合性を重視するため、形式だけ整えて実態が伴っていない場合、否認される可能性が高くなります。

「開業届を出している=事業」という認識は、税務上は成り立たないことを押さえておく必要があります。

開業届が意味を持つケース・持たないケース

開業届が意味を持つのは、投資とは別に、明確な事業収益が存在する場合です。例えば、次のようなケースでは、開業届の提出に実務的な意味が出てきます。

  • 投資情報を発信し、広告収入や会員収入を得ている
  • 投資ノウハウを教材・講座・コンサルとして提供している
  • 投資関連のメディア運営を事業として行っている

この場合、収益の源泉は「情報提供事業」であり、その事業に直接必要な支出については、経費として検討されます。一方で、自己資金の運用のみを行っている投資家の場合、開業届を出しても税務上の取り扱いが変わることはほとんどありません。

つまり、開業届の意味は「投資をしているかどうか」ではなく、事業としての実態があるかどうかで判断されます。

「出せば経費になる」という誤解の正体

「開業届を出せば経費になる」という誤解は、
事業=経費が使える → 開業届=事業
という短絡的な理解から生まれています。しかし、税務上はこの二つはまったく別物です。

開業届は形式的な手続きにすぎず、経費が認められるかどうかは、所得区分と実態によって判断されます。この違いを理解せずに、開業届を根拠に幅広く経費計上してしまうと、申告全体の信頼性が下がり、税務調査時に問題視されやすくなります。

投資家にとって重要なのは、「出せば得かどうか」ではなく、税務上どう評価されるかという視点で判断することです。

投資家が経費計上で注意すべき税務リスク

投資家が経費を計上する際に最も注意すべきなのは、「経費にできるかどうか」そのものよりも、税務リスクを正しく認識しているかです。投資は事業所得ではないケースが多いため、経費計上の前提がずれていると、申告内容全体の整合性が崩れやすくなります。金額の大小にかかわらず、考え方が誤っていると否認や追徴につながる可能性がある点を理解しておく必要があります。

税務署が見るポイントと否認事例

税務署が投資家の申告内容を見る際、重視するのは「経費の金額」よりも申告の考え方が税法と整合しているかです。特にチェックされやすいポイントには、次のようなものがあります。

  • 所得区分と経費内容が一致しているか
  • 投資収入に対して不自然に経費が多くないか
  • 継続的・網羅的に経費計上していないか

例えば、雑所得として申告しているにもかかわらず、事業所得のような経費(家賃、通信費、書籍代など)が並んでいると、違和感を持たれやすくなります。また、「前年も同じ処理をしたから大丈夫」と考えていると、後年まとめて否認されるケースもあります。

否認事例として多いのは、開業届を根拠に広範囲の支出を経費計上していたケースや、投資専用と説明できない支出を含めていたケースです。税務署は個別の支出だけでなく、申告全体のバランスを見て判断する点に注意が必要です。

私的利用との線引きが重要な理由

投資家の支出は、私的利用と業務利用が混在しやすいものが多く、ここが税務リスクの温床になりやすいポイントです。パソコン、スマホ、通信費、自宅関連費用などは、日常生活でも使用されるため、完全に切り分けることが難しい支出です。

雑所得や譲渡所得では、事業所得のように家事按分を前提とした制度設計になっていないため、「一部は投資に使っている」という説明だけでは不十分と判断されがちです。線引きが曖昧なまま経費計上すると、その支出だけでなく、他の経費や所得区分まで疑われる原因になります。

税務署の視点では、「グレーかどうか」ではなく、「合理的に説明できるか」が重要です。説明が難しい支出は、最初から計上しない判断の方が、安全性は高くなります。

経費計上でトラブルになりやすいケース

投資家の経費計上でトラブルになりやすいのは、次のようなケースです。

  • 開業届を提出したことを理由に経費範囲を広げている
  • 家賃・光熱費など家事関連費を含めている
  • 投資専用と説明できない支出が継続的に計上されている

これらは、税務署から見ると「事業所得前提の申告をしているのではないか」と疑われやすく、否認だけでなく、修正申告や追徴課税につながる可能性があります。

投資家が経費を考える際は、「少しでも節税したい」という発想よりも、リスクを増やさない申告をすることを優先する方が、長期的には安全で合理的です。

投資家ができる現実的な節税方法

投資家にとって現実的な節税は、「経費を増やすこと」ではなく、税法で認められている制度を正しく使うことです。投資は事業所得ではないケースが多いため、無理な経費計上はリスクを高めるだけになりがちです。一方で、損益通算や口座の使い分け、非課税制度などは、ルールの範囲内で税負担を抑える有効な手段です。ここでは、投資家が安全に実践できる節税の基本を整理します。

損益通算・損失繰越の基本

投資家がまず押さえておくべきなのが、損益通算と損失繰越です。これは経費計上とは異なり、制度として明確に認められている節税方法です。

株式投資(上場株式等)の場合、同じ年に出た利益と損失は損益通算が可能で、さらに通算しきれなかった損失は最長3年間の損失繰越が認められています。これにより、将来の利益と相殺し、税負担を抑えることができます。

一方、FXや仮想通貨などの雑所得は、原則として他の所得区分との損益通算ができません。ただし、FX(申告分離課税)の損失については、一定の条件下で繰越控除が可能です。重要なのは、金融商品ごとに通算・繰越の可否が異なる点を理解し、ルールに沿って申告することです。

特定口座・一般口座の使い分け

投資家の節税と実務負担を左右するのが、特定口座と一般口座の使い分けです。特定口座(源泉徴収あり)を利用すれば、証券会社が税金計算と納税まで行ってくれるため、確定申告の手間を大きく減らせます。

一方で、損益通算や損失繰越を活用したい場合には、特定口座(源泉徴収なし)や一般口座を使い、自分で確定申告を行う必要があります。特に複数の証券会社を利用している場合、口座をまたいだ損益通算は申告しなければ反映されません。

節税の観点では、「とにかく特定口座が有利」というわけではなく、自分の投資スタイルや利益・損失の状況に応じて選ぶことが重要です。

経費以外で税負担を抑える考え方

投資家が税負担を抑えるためには、経費にこだわるよりも、制度そのものを活用する発想が重要です。代表的なのが、NISAやiDeCoといった税制優遇制度です。

NISA口座では、一定額までの投資利益が非課税となり、そもそも税金を計算する必要がありません。iDeCoは運用益が非課税であるだけでなく、掛金が所得控除の対象になるため、現役世代の投資家にとっては非常に効果的です。

また、売却タイミングを調整して課税年を分散する、利益と損失が出ている銘柄を整理するなど、取引戦略そのものが節税につながるケースもあります。投資家にとっての節税は、「経費を増やすこと」ではなく、「税法の前提を理解したうえで行動すること」だと考えるのが現実的です。

投資家の経費に関するよくある質問

投資家の経費については、「自分の場合はどうなのか」という個別判断が必要になる場面が多く、疑問を持つ人も少なくありません。特に専業か副業かといった立場の違いや、どこまで自己判断してよいのかは混乱しやすいポイントです。ここでは、投資家からよく寄せられる質問について、税務上の基本的な考え方を整理します。

専業投資家なら経費は使える?

専業投資家であっても、原則として経費は使えません。専業かどうかは税務上の判断基準ではなく、投資による所得が雑所得や譲渡所得に該当する限り、経費計上の前提は変わらないためです。

「生活費を投資収益で賄っている」「毎日相場に向き合っている」といった事情があっても、それだけで事業所得と認められることはありません。税務署は、自己資金の運用なのか、第三者に対してサービスや価値を提供しているのかを重視します。

そのため、専業投資家であっても、書籍代や通信費、家賃などを事業経費のように計上するのはリスクが高い行為です。専業という立場に過度な期待を持たず、所得区分に基づいて判断することが重要です。

副業投資家でも経費計上できる?

副業投資家の場合も、考え方は専業投資家と同じです。副業であっても、投資による利益が雑所得や譲渡所得である限り、経費計上が認められる範囲は非常に限定的です。

「本業とは別に投資をしているから」「副業だから少額なら問題ない」といった考え方は、税務上は通用しません。むしろ、本業の事業所得と投資の雑所得が混在している場合、経費の付け替えや二重計上と疑われるリスクが高くなります。

副業投資家ほど、所得区分ごとに支出を明確に切り分け、安易に経費計上しない姿勢が重要になります。

税理士に相談すべきタイミングは?

投資家が税理士に相談すべきタイミングは、「経費を計上した後」ではなく、検討し始めた段階です。特に、次のような状況に当てはまる場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

  • 経費として計上してよいか判断に迷う支出がある
  • 投資以外の収益(情報発信・副業など)が増えてきた
  • 開業届の提出を検討している

自己判断で経費計上を進めてしまうと、後から修正が難しくなることがあります。税理士に相談することで、リスクを避けつつ、制度の範囲内で最適な選択がしやすくなります。

まとめ|投資家の経費は「使える前提」で考えない

投資家の経費については、「どうすれば使えるか」を探すよりも、原則として使えないものとして整理する姿勢が重要です。投資による利益の多くは雑所得や譲渡所得に該当し、事業所得のような経費計上は想定されていません。無理に経費を作ろうとすると、節税どころか税務リスクを高める結果になりかねません。投資家にとって大切なのは、制度の前提を理解し、リスクを取らない判断を積み重ねることです。

経費計上で失敗しない判断基準

投資家が経費計上で失敗しないためには、次の判断基準を常に意識することが重要です。

  • 投資による所得区分(雑所得・譲渡所得)を正しく理解しているか
  • その支出が投資収益と直接対応していると言えるか
  • 私的利用と明確に切り分けられているか

これらの条件を満たさない支出は、経費として考えない方が安全です。「少額だから」「投資に必要だったから」といった感覚的な判断ではなく、税法上説明できるかどうかを基準にすることで、申告ミスを防ぎやすくなります。

安全に運用するための考え方

投資家にとって最も重要なのは、短期的な節税効果よりも、長く安全に運用を続けることです。経費計上にこだわるよりも、損益通算や損失繰越、NISAやiDeCoといった制度を正しく活用する方が、結果的に大きなメリットにつながります。

税務リスクを避ける姿勢は、投資におけるリスク管理と同じ考え方です。ルールを理解し、その範囲内で行動することで、余計な不安やトラブルを抱えずに投資に集中できる環境を整えることができます。

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