飲食店の営業において、集客は絶対に切り離せない存在ですね。飲食店の売上は、「集客×単価×回転率」で成り立っています。
集客と言っても様々な方法があり、それぞれの効果やコストも違ってきます。
すでに何かしらの集客方法は取っておられる方も多いでしょうが、1つの方法でまだ集客し足りないのであれば、第2第3の方法を試してみても良いですね。
今回は、主に新規顧客獲得のための飲食店の集客方法についてご紹介していきたいと思います。
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新規客来店のきっかけとそこから見えてくる集客方法
早速ですが、上のグラフは以前「日経レストラン」による、飲食店の初来店のきっかけをアンケートした結果です。
その他を除く3種類に色分けしましたが、主に以下3種類の理由で飲食店を選んでいることが分かりました。
そこからどのような集客方法が取れるのかが見えてきますね。
口コミによる来店と集客方法
人が人を呼ぶ集客方法である、口コミによる集客方法。一番最初の口コミを起こす人たちの集客はさておき、あらかじめ口コミが起きやすい店作りをしておくことで後々の集客を大きく助けてくれることでしょう。
直接的な集客とは少し離れますが、上のグラフでも知人からの紹介を始めとした口コミに関する来店動機は多いので、長期的な目線で見ればこちらも効果的な集客方法だといえるでしょう。
主な集客方法
- 明確なコンセプト作り
- CS向上の徹底
- SNSでの発信
- ポイントカードや再来店割引
口コミを通して集客窓口を増やすには上のような方法があります。
主にオープン前に大々的にやることですが、明確なコンセプトがあるお店は「○○したいならココ!」というような連想をしやすいので、口コミも起こりやすくなります。
それをベースに接客サービスの徹底やお得なクーポンなどを配布して再来店を促します。良いと思ったものは人に紹介したくなる心理が働きますので、口コミを起こす=良い店作りをすると言っても過言ではありません。
【関連記事】
「飲食店のコンセプトの考え方と作り方」
メディアを通しての来店と集客方法
開業したての頃は、上記の口コミも全く無い状態ですので、まずは新規客を獲得することからスタートですね。
やはり一番効果的なことは、費用をかけてでも広告を打ち出すことです。広告手法も様々ありますが、適した広告を出せば必ずお客さんは来てくれます。
広告を出すからには、在庫やスタッフの準備はしっかりしておき上の口コミにも繋げられる対応を心がけましょう。
広告の出し方にある程度のパターンはあるものの、正解不正解はありません。以外に集客できなかった場合は、在庫や人員のコストを見直したり別の広告を検討したりと、試して分析しながら最善策を探していきましょう。
主な集客方法
- インターネット広告
- 新聞・折込広告
- テレビ・ラジオCM
飲食店の広告で一番手軽で効果も期待できるものは、後でもお伝えするインターネット広告(グルメサイトへの登録)でしょう。
その他地域密着型の店舗であれば、折込チラシなどもアリです。
飲食店でのテレビ・ラジオCMはコストの割にはなかなか見合わないでしょうか。新規顧客をつかむための最初の集客にはあまり適していないかもしれません。
ふとしたきっかけでの来店と集客方法
上のグラフでもあったように、通りがかりでの来店というものも飲食店では結構多いですね。
しかしその為には認知してもらわなくてはなりませんね。路面店であれば、目の前の通りにある程度人通りがあれば認知してもらえますが、そうでない場合、袖看板や一階部分に看板など置けるならそのような目に付くもので知られる事から始めます。
さらに近くでチラシ配布をしたり、近隣店舗などにチラシを置いてもらう、近くの企業にクーポン付きのFAXを送るなど、主にアナログになりますができる集客もアイディア次第で出てきます。
主な集客方法
- 看板
- チラシ配り
主な集客方法は、上で説明したようにアナログな方法がメインになりますが、大事なことは自分のお店周辺で生活するターゲットとなる人がどのようなパターンで動いているのか?を観察してみることです。
ターゲットとなる人がよく行きそうなお店は?よく通る道は?そのようなことを前提に考えてみるとことで、チラシ配布の場所や看板を置く位置もより効果的なやり方を見つけられるかと思います。
全ての集客方法がどのお店でもできる
主な集客方法を上記でまとめて説明しましたが、これらはどのような店舗であってもできることだと思います。
何でもかんでも当てずっぽうで集客するのではなく、お店のターゲットがどのような方法でやってくるのか?ということをイメージしながら集客方法も試してみましょう。
それでも必ずうまくいくとは限りませんので、分析や改善、他の集客方法に変えてみたりしてご自身で最善の方法を見つけ出してみましょう。
ローコストで効果的!まずは試しておきたい飲食店の集客方法
上記で様々な集客方法はご説明しましたが、その中でも大抵のお店で実践できて費用対効果も良いであろうインターネットを使った集客術についてもう少し詳しくご説明したいと思います。
クーポンサイト・ポータルサイトをうまく使う
クーポンサイトやポータルサイトに関しては新規顧客の獲得や認知にとても向いていると思います。
飲食店を予約する際に
このように検索し、ほとんどがクーポンサイトやポータルサイトが検索の上位にきてその中からお客さんはお店を探す方が多いです。
特にお店の名前も認知されていない開業時には相性がいいかと思います。
皆様もご存知の有名なサイトを3つご紹介しましょう。
この中でご自身の出店なされるエリアと業種をグーグルなどで検索した際に、上位表示されている広告サイトに関しては要チェックです。
ぐるなび
引用元「ぐるなび」
全国規模で利用されているポータルサイト。
サイト内の店舗ページは管理者アカウントで自身で編集可能で、お店の「色」や「ウリ」を伝えることができます。
費用に関しては無料掲載もありますが月額の費用で掲載表示順位が変わったり、その他の特集やオプションでも掲載表示順位が変わってきます。
参考程度ですが、著者が新宿や渋谷といった都心ターミナルエリアで掲載していた時は、月額50万円を払ってぐるなびに掲載しても1ページ目に来なかったこともあります。ご自身のエリアの相場や特集のプランイン関しては必ず事前に問い合わせや打ち合わせ時に確認しましょう。
とにかく見ているお客さんは多い媒体ではありますので、開業時にはチェックしましょう。
ホットペッパー
引用元「HOT PEPPER」
テレビのCMなどで皆さんも聞いたことがある有名なクーポンサイトですね。
地方エリアだとまだ紙面の冊子もあったりします。
都内では、ぐるなびと比べると若年層の利用者が多いと感じますが、やはり利用者数がこちらも多いです。
費用は無料プランもありますが、「エリア」や「プラン」や「オプション」によって様々です。
サイト内の表示順位は「プランごと」にランダムになっているので、ぐるなびよりも公平性があります。
クーポンサイトなのでいかに魅力的なクーポンを打ち出すかというポイントもありますが、こちらも様々な編集が可能なので空間やお料理の魅力をお伝えすることができます。
ヒトサラ
引用元「ヒトサラ」
「料理人の顔が見えるグルメサイト」です。
内容は上記のぐるなびやホットペッパーと似ていますが、最近グーグルの上位表示にも現れるようになってきていて利用者数も増えてきています。
料理人をユーザーが確認できるという安心感がポイントですね。
費用は上記のぐるなび、ホットペッパーよりも安価なので著者も利用しています。
クーポンサイトとポータルサイトのメリット・デメリット
便利な集客方法で活用できますがそんなクーポンサイトとポータルサイトのメリット・デメリットを紹介していきます。
メリット
1.各種サポートが受けられる
各サイトを登録すると、毎月のアドバイスやコンサルティングサポート(料理や店内の撮影などもしてもらえる)を受けられますので有効活用してお店作りに役立てましょう。
2.スピーディな「認知・集客」
もともと利用者数が多い媒体なので、打ち出し方によってはスピーディな認知が期待できます。もちろん無料掲載よりも有料掲載の方が期待度は高いです。
クーポンだけがウリではなく、お店のメニューや空間もしっかりと打ち出すことで利用者への認知は高まります。
3.集計データを有効活用
各媒体毎にPV数やコール数などの様々な数字をチェックできるので、新しいコースや販促のお客様の反応やニーズなどを素早く確認できます。
著者はグランドメニューの変更や次のコースの変更時などの参考データにしています。
デメリット
1.掲載コスト
エリアや打ち出し方にもよりますが、月額費用やネット予約の手数料の費用などのコストがやはり気になります。必ず広告費用に対しての集客効果を分析したり、事前に各媒体の担当者に確認し無駄な広告費をかけないようにすることが肝心なポイントと言えます。
2.競合店舗の多さ
エリアにもよりけりですが、ほとんどのエリアでネット広告に掲載している飲食店が多いと思います。
特にターミナルエリアに関してはかなりの数が掲載していますので、その中からご予約や集客につながるのは難しくなってきます。
こちらも効果測定をしながら、あまりにも広告費が高額になるならば他の媒体や集客方法を検討しても良いでしょう。
3.インターネットユーザーにターゲットが絞られる
今の時代に少ないかもしれませんが、ネットユーザーのみの集客や認知に絞られます。
ターゲット層がお年寄りやあまりネットを使わない年齢層やエリアだと集客につなげるのは難しいです。
4.クーポンによる無駄な割引
広告サイトで掲載していることにより、もともと来店しようとしていたお客様がクーポンなどを使用してしまい、無駄な割引やお店の負担につながります。
必ず月々の広告サイト利用での集客人数やフリーのお客様の比率、クーポンの使用率などを集計して効果的に変更していきましょう。
長期的にも使える口コミサイト
口コミサイトも新規開業時に「認知」させる媒体として利用しましょう。
オープンしたばかりでは口コミはないですが、広告サイトと同じく、メニューや店内の写真を掲載して打ち出すことに意味があると思います。
最近はグーグルの表示順位も高いので必ずチェックしましょう。
そして早くから掲載することで口コミを書いてもらえる可能性も早まりますので、参考にしてみてください。
代表的なサイトを解説していきます。
食べログ
引用元「食べログ」
口コミや点数によって飲食店を評価し第三者にオススメかどうか伝えるサイトです。
有料の会員もいるくらいの信用性が一時期はありましたが、最近はニュースなどでお店側の公平性などが問題になっていました。
月額料金は無料から10万円ほどまでプランがあり様々なオプションがあります。ネット予約の手数料もかかりますので少し上記の広告サイトよりな部分もあります。
口コミなしで無料掲載しているだけでも認知には繋がるのとエリアによっては集客にもなりますのでチェックしましょう。
著者は以前都内で食べログ3.5以上のお店を営業していましたが、月の食べログでの集客は300〜350万円ほどありました。
低い広告費で凄まじい集客力がありましたので開業後も積極的に参考にしてみてください。
Retty
引用元「Retty」
facebookと連動している実名投稿型の口コミサイト。アプリにもなっているので手軽に利用者は利用できます。
費用は無料掲載から安価な有料月額プランもありますが、著者は無料で十分だと思っています。
お店の基本情報やクーポン、口コミへの返信もできます。
食べログと違う点は実名投稿なのであまりネガティブな投稿や批判が少ない点です。
意外にグーグルの検索1ページ目にあったりしますので無料での基本掲載くらいは必ずやっておくべきです。
口コミサイトのメリット・デメリット
こちらの口コミサイトにもメリット、デメリットがあります。
そこを踏まえ効果的に活用しましょう。
メリット
1.コストの安さ
広告サイトと比べると月額費用の安さが魅力的です。
無料掲載でも十分に機能が使えますので嬉しいですね。
2.良いお店作りとの相性
口コミ形式は良いお店作り=集客に繋げられるので本来の飲食店としての営業をしっかりやるという方向性との相性がいいと思います。
お客様の声を聞くことも今後のお店作りに活かせるポイントだと思いますので著者は重宝しています。
デメリット
1.集客の即効性の低さ
広告サイトと比べると集客の即効性は低いかと感じます。
もちろん有料プランにすることで閲覧してもらえる可能性は高められますが、口コミが最大の機能なので大きな集客につなげるまでは時間がかかります。
2.悪い口コミのリスク
開業時の段階だと。まだサービスが確立できていなかったり、ミスがあったりする可能性があります。そのタイミングで来店されたお客様に悪い口コミを書かれる可能性もありますので注意しましょう。
しっかりとオープン前にお店作りを確立させるか、オープン後営業に慣れてきたタイミングがおすすめです。
SNSの活用
facebook・ツイッター・インスタグラム・LINEなど様々なSNSがあります。
これらを効果的に使いましょう。
即効性を求めるならばお店のアカウントからの発信を有料広告機能によって拡散することもできます。
無料での運用にしても来店されたお客様にメンバーズカードがわりに登録してもらったりすると、そのお客様の友人がその投稿を見たりして来店に繋がったりします。
ほとんど無料なので口コミサイト同様な使い方のイメージです。
お店のウリや料理の写真などをこまめにアップし、ユーザーを増やしていくことで長期的にも集客につながりますので、今の時代はマストではないかと著者は感じます。
リアルタイムでの更新・発信もできますので、予約のない日など集客の見込めない日などは当日限定のクーポンをSNS上で掲載するなど効果的に活用していきましょう。
チラシ・FAX広告
インターネット広告ではなく、かなりアナログな広告集客方法ですが、この「チラシ」「FAX広告」なかなか侮れません。
費用に関しては枚数や配布エリアによって様々です。
開業時に認知・集客したいお店には相性が良いと思います。
オープン記念などでもちろん割引やサービスの掲載をするので、フラッシュマーケティングにはなりがちですが、「認知」の観点で考えるとオープン時にはある程度のコストは見ておくべきだと思いますし、お店から近いリアルな利用者へのアプローチができてかなりおすすめです。
著者はFAX広告やオープン前にチラシを配布してかなりの集客や認知を獲得できた経験があります。
ただ載せるだけではダメ!大切な広告掲載で考えるべきポイント
上記でご説明したネット広告や口コミサイト、SNSですがただ単に掲載するだけでは効果を十分に引き出せません。
新規顧客獲得のために、ここで解説する内容は必ず押さえましょう。
販促内容を吟味する
特にクーポンサイト、ポータルサイトに関してはこの販促内容を精査して来店されるお客さんはかなり多いので気を付けましょう。
魅了的なサービス内容や特典を「マーケット」「シーン」など自店との相性を考えて「ターゲット」を明確にして打ち出すことが大事です。
「幹事無料」や「コース一品追加」などをクーポンで打つことによって会社の「宴会」を獲得する。
「誕生日の方に名前入りデザートプレートサービス」や「女子会のお客様限定ワインサービス」などを打ち出して誕生日や女子会のお客さんを明確に獲得する。
などしっかりとご自身のお店が来店してほしいターゲットに対して効果的に掲載することが大切です。
なんでもクーポンや割引にすれば良いってわけではないので、一度掲載した後にも効果測定し追求していきましょう。
独自性のある魅力的なページを作ろう
上記でご説明したネット広告や口コミサイトに関して、ほぼ全ての機能が管理者権限でページを編集できます。
お店の良さを100%伝えるために綺麗な写真を使うことや文字での装飾など、利用者の目に止まるようなページ作りを心がけましょう。
SNSに関しては投稿する内容や写真をこまめに(できたら毎日)上げることで、1%でも集客に繋がるように努力しましょう。
売上とは1%の積み重ねなのです。
集客以外にできる飲食店の売上UPの方法
あなたが集客方法を調べている理由はなぜですか?
売上を伸ばしたいからですよね。確かに、売上を伸ばすためには集客力を上げることが一番ですが、冒頭でもお伝えしたように飲食店の売上は「集客×単価×回転率」です。
他の要素を伸ばすことで売上UPに繋がることも多いので、考えとして頭に入れておきましょう。そして、集客するよりもコストもかかりませんので、ちょっとした取り組みで改善されることも多いです。
【関連記事】
「売上UPのための考え方と具体的な方法」
客単価を上げる
ある程度の集客がありきでの話にはなりますが、単価を上げれば当然売上も上がりますね。
例えば客単価1,000円で1日の来店人数が100名だったとします。単価を100円上げるだけで、1日1万円。1ヶ月で約30万円の売上が上がります。
何の理由もなしに価格帯だけ上げてもお客さんが離れてしまうだけですが、セット商品を開発したり、追加価値を付けることで十分単価も上げられます。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】
「客単価と売上UPのための8つの方法」
回転率を上げる
こちらは集客に近い内容になりますが、飲食店でよくあるアイドルタイムの効果的な活用や、反対のピーク帯での素早い提供などを心掛けることで、より多くの来店が見込めて売上UPにも繋がります。
せっかく色々な集客方法を試してみても実際にお客さんが入りきれずに予約を断ったりしていればもったいないので、実際に営業しながら分析しながら、もう少し来客時間を早めにできないか?ピーク時以降の集客を伸ばせないか?など、効率的に常に席が埋まっていくような方法を考えてみましょう。
【関連記事】
「回転率を理解して売上アップに繋げる考え方」
まとめ
今回は開業時に役立つ新規顧客の集客に関して書かせていただきました。
著者はもともと飲食の企業で広告担当もしていたので、この新規顧客のネットによる集客はとても大事だということを知っていましたし、得意でしたので是非参考にしてみてください。
しかしながら広告にはコストを伴い、さらには飲食店として新規顧客として来店したお客様にいかにして「リピーター」になってもらうかが大事になりますので注意してください。
広告に頼りすぎると費用はどんどん上がり、結果として飲食店としてマイナスな効果しか生まないこともありますので気をつけていきましょう。
広告での効果的な認知と、良い店作りでのリピーター・口コミ作りの合わせ技がしっかりできていれば集客に困ることも少なくなってくるかと思いますので、今回の内容を参考にしていただければ幸いに思います。
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