飲食店開業の時や準備や事業計画、コンセプトを作る時に「お客様単価」をある程度予測しなくてはいけないと思います。
しかし経験が少ない、もしくは今まで働いていた所と全く環境が違うなどなかなかこの「単価」に関してどう考えていけばいいのかわからないと思います。
だからと言って当てずっぽうに考えてはいけない飲食店の単価に関して今回はフォーカスを当て単価設定の考え方、注意点とそして開業後の単価アップにも繋がる内容をお伝えしていきたいと思いますので是非参考にしてみてください。
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客単価とは?単価の重要性
まずは単価とは何なのか?飲食店の経営においてどのような重要性があるのか?などの簡単な説明をしていきましょう。
飲食店の売上構築に関して実はこの「単価」とても大切です。
客単価とは?単価の意味
客様価とはそのままなのですが「お客様一人あたりの平均支払い金額」のことです。
1日のお客様単価の出し方の計算方法は
1ヶ月のお客様単価の出し方の計算方法は
になります。
例)
一日の売上合計が21万円、来店人数が70人のお店の一日のお客様単価は?
210,000÷70=3,000 客単価 ¥3,000
単価で売上が決まる
飲食店の売上の考え方は
当たり前でもうお分かりの方も多いと思いますが、お客様単価が上がれば売上に直結するのです。
しかしながら、分かってはいても多くの人がこの単価を意識せず、集客(来店人数)を増やすことがお店の売上アップになると思い、単価を軽く考えてしまっている方が多いと感じます(個人的意見ですが)。
集客を増やすためには広告サイトに掲載したり、リピーターを作るなどお金や時間のコストがかなりかかって来ます。
しかしお客様単価を上げるのは集客ほどコストはかかりません。
開業時から確実に単価を意識することをクセにすることが、今後のお店の売上に必ず良い影響になってきますので徹底しましょう。
具体的に例を挙げて単価が売上にどのように関わってくるか図を交えながら説明しましょう。
一人当たり200円のお客様単価を上げることができれば一日で14,000円の売上アップになり、これが1ヶ月(30日間)続けば42万円もの売上アップにつながります。
逆に単価が下がってしまうと飲食店の売上は簡単に下がっていきます。
たかが200円と思う人もいるかもしれませんがチリも積もれば山となるという諺があるように、お客様一人一人の単価に関しての意識を必ず持つことが飲食店の売上に繋がって来ます。
飲食店の平均単価は?業態毎の比較
次に飲食店の平均単価を業態毎にご紹介していきます。
業態の他に、エリアやターゲット層によってもかなり変わってきますが飲食店経験の少ない方の参考になればと思いますので、頭の片隅に置いておく程度で見てください。
参考サイト「味の素HP」
開業前には目安程度に抑えておきましょう。
ご自身が開業したいと思っている業態に関して、単価のイメージとかけ離れていないかなどの確認を行いましょう。
飲食店の単価が決まる3つのポイント
次に飲食店の客単価を決定づけるポイントを3つ解説していきます。
このポイントを押さえることで、自身が意図した単価設定に近づけることもできますので開業時の方も必見です。
1.メニュー、コースの金額
これはそのままですが、メニュー1品1品の値段設定とコース価格のことです。
飲食店の売上は1品、1杯の積み重ねで構築されていきます。このメニューの値段設定がやはりお客様単価に大きく影響してきますので、開業前の方はメニュー内容の作成の際に値段設定をしたあと、原価率とお客様単価がどうなるのかを知るために「シュミレーション」してみるなど細かく気をつけるべきポイントなのです。
そして居酒屋やイタリアンレストラン、バルなどはコース利用の需要もかなり高いので、コースの一人当たりの料金設定、複数設定する際はお店の理想単価に近い金額設定のコースをお店のメインコースになるような料理内容にするなどの工夫をすることが単価を構築するポイントになりますので必ず押さえていきましょう!
2.QSCによる付加価値
QSC(クオリティ、サービス、クリンリネス)はもあなたのお店の付加価値に大きく影響してきます。その付加価値が上記の値段設定にも大きく影響しますし単価そのものにも影響しますのでそのご説明をしていきましょう。
クオリティ
料理やドリンクの完成度(盛り付けの華やかさ、綺麗さ)は大きく商品の価値を高めてくれます。同じ食材を使ってもクオリティの違いでお客様が高いとも安いとも捉えられますので気をつけましょう。
サービス
お客様にとって嬉しい、気持ちのいいサービスはお店に付加価値をつけてくれます。同じ飲食店でも通常の価値よりも高い価値のお店になればおのずと商品価値も上がり単価にも影響します。
クリーンリネス(清潔さ)
簡単な話綺麗な清潔感のあるお店内の方が同じ商品を販売しても価値が高くなる=商品値段に影響してくるということです。
簡単に居酒屋で比較してみましょう。
ちょっと極端ですがあなたはどちらにお金を払いますか?
集客にも言えることですが同じ原価のビールでも居酒屋の販売価格は様々です。
お店の価値をQSCによって上げることで単価も変わることが容易にわかりますよね。
そして、QSC を高めることによってお客様の滞在時間も変わってきます。
QSCの高いと言うことは居心地のいいお店→居心地のいいお店ということは滞在時間が伸びる→ということは単価を左右する1品1杯を追加でオーダーする可能性も増えるということです。
QSCによるお店の付加価値に関しては著者もかなり気をつけているポイントなので是非参考にしてみてください。
3.営業中の販売促進〜アップセルとクロスセル
お客様単価は注文される料理の値段、注文数で決まります。
この二つを高める販売促進のテクニック「アップセル」と「クロスセル」、あまりなじみのない言葉だと思うのでまずはご説明からしますと、
マクドナルドの注文時を想像してみてください。
セットを頼んだ時に「+〇〇円でLサイズセットにできますがいかがですか?」
これが「アップセル」
この時に「アップルパイが揚げたてなのですがご一緒にいかがでしょうか?」
これが「クロスセル」です。
ついついサイズアップしたり、おすすめされた物も買ってしまったりは誰しもがある経験だと思いますが、これを開業時から徹底してお客様一人一人に対して行っていくことが単価を左右してきます。
なんども言いますがお客様単価は1品1杯の積み重ね。お店のメニューを考えている段階からこの『料理が注文されるときはこのサイドメニューをおすすめする』などのルールにしてしまってもいいと思いますので是非参考にしてみてください。
すでに開業後で単価が伸び悩んでる方はすぐにこのテクニックを行動してみてくださいね。
単価設定においての考え方や注意点
飲食店のお客様単価の重要性はご理解いただけたかと思いますが、ただ単に単価をあげればいい!とはお気づきでしょう。
単価が高すぎてもお客様が来店しづらくなったり、安すぎても売上に繋がらない、単価の設定はとても難しいですね。
そこで単価を設定する際や自店の単価が適正なのかどうなのかを判断する方法や考え方、注意点をお伝えしていきます。
マーケットを知ること
店舗を出店している、もしくわ出店予定のエリアの飲食店や上記でも記載している業態に関しての平均的な単価を調べましょう。
ターゲット層と単価のバランス
ご自身が出店するお店のターゲット層と単価設定の金額はかけ離れていないか確認しましょう。
コストパフォーマンスはどうか
単価設定した金額に対してコスパはいいのか?上記で記載したQSCによる付加価値を考慮し、自店のメニューや単価設定が適正化どうかを俯瞰的に見つめましょう。
ざっくり3つに分けて紹介しましたがこの3つは必ず押さえて単価設定やメニュー金額設定を行いましょう。
マーケットとターゲット層に対して自身のお店の単価はどうなのか?
高過ぎれば、いくらお店としての付加価値が高くても集客はなかなか困難になると思います。
安ければ集客に繋がると思いますがお店の売上、利益の減少になります。
単価設定をする際は上記の3つを必ず確認し、収支のバランスを考えてお客様に喜ばれるお店作りを行いましょう。
開業後に行動すべき単価アップの方法
開業準備時に単価の設定を上記のポイントや考え方を抑えて出店をして完了、とはいきません。
そこで終わってしまわずに開業後に行動するべき単価アップの方法をご紹介します。
飲食店に完璧や終わりは絶対にないので下記のポイントを常に意識し行動しましょう。
abc分析をし、メニュー変更や金額変更を行う
開業後3ヶ月も経てばお客様のオーダーされるメニューに関して偏りや人気のある商品、逆に全くオーダされない商品などがabc分析でわかると思います。
開業準備時の設定していた単価設定よりも低い場合は人気の商品と類似した新商品を打ち出すなど試行錯誤しましょう。
ニーズやマーケットをさらにキャッチしに行こう
事前にいくら調査したといえども、上記のabc分析もそうですが開業後の実際の自店のニーズや、エリアのマーケットには差異が多かれ少なかれ生じてきます。
なおかつ、飲食業界は時代やシーズンの流行などにもとても影響されますので、追求をやめずに敏感であり続けましょう!
常に現状の時点の情報から試行錯誤して改善し、時代やシーズンやマーケットに対しても敏感に行動やメニュー考案などの「挑戦」をし続けましょう!
まとめ
飲食店の単価の重要性や考え方について書かせていただきましたが、今後もこういった売上アップにつながる記事は書いていきたいと思います。
今回のお客様単価一つ取ってもお客様のためになるような設定をしつつ利益も出さなくてはいけない、とても深く考えなくてはいけない難しい事ですね。
自身の成長のためにも追求し続けましょう。
難しい飲食店経営ですが、とてもおもしろい仕事だと著者は日々実感していますので少しでも他の方のお手伝いや参考になればと本気で思っています。
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