飲食店におけるメニューのデザインの部分はないがしろにされがちな部分でもあります。
しかし、メニューのデザインを工夫するだけで単価UPに繋がったり、リピートに繋がったりとプラスになることばかりです。
飲食店ごとにデザインは様々ですよね。
今回はメニューデザインのポイントや作る上での重要性や作成方法のおすすめなども併せてお伝えしていきたいと思います。
メニューの“中身”については「飲食店のメニューの考え方と作り方のポイントを解説」を参考にしてください。
無料で受けられる
|
飲食店におけるメニューデザインの重要性
飲食店によっては、簡単に手書きでだけで済まされたり、いつ行っても同じメニューだったりと、ないがしろにされてしまいがちなメニューのデザインですが、冷静に考えてみるとお店の売上を大きく左右するとても重要な役割があります。
まずは、メニューのデザインの重要性について簡単にまとめてみました。
もう一品の注文で単価アップ!
やっぱり「分かりやすい」「目を引く」メニューであれば、もう一品の注文を獲得しやすいのではないかなと思います(実際に調査したことないので明言できませんが…)。
例えば、居酒屋でお酒も入ってきて盛り上げっているときに「もう一品頼もう!」みたいな雰囲気になったとします。
文字だらけのメニューと分かりやすく料理の写真が載ったメニュー、どっちを選ぶでしょうか?
やっぱり酔っぱらってきて会話も盛り上がっている時ほど、絵や写真などの直感的にメニューを選ぶんじゃないかなと思います。
1日10組のお客様が500円の商品を追加で頼んでくれるだけで、1日5,000円の売上UP、月に15万円の売上UPです。アルバイトをもう一人雇えてしまいますね。
季節感を出してリピートへ繋げる
季節感がない殺風景なメニューと季節感があるメニューとでは、やはり潜在的にお客様にもメニューがちゃんと変わっているという印象を与える効果があるでしょう。
実際に季節ごとにメニューを変えているお店も多いとは思いますが、季節を変えるのであればメニューデザインも季節に併せてみると効果を増すと思います。
結果的に「久しぶりにあの店に行ってみよう」というリピートに繋がるかもしれません。
少し面倒ではありますが、ベースの色身を変えたり桜や紅葉などの季節をイメージさせるスタンプのようなものを入れるだけでも季節感は出せますし、テンプレートを作っておけば使いまわしもできます。
先ほどの話で例に出した、15万円の単価アップでアルバイトを雇い営業中の業務はやってもらい、オーナーや店長はメニュー作成に力を傾けてみてもいいかもしれませんね。
店内との統一感でブランディング
開業時に新しいお店のコンセプトを念入りに考えるオーナーの方は多いと思います。
しかし、それがメニューにまで反映されているかというと、そうでないお店も少なくありません。店舗のデザインとメニューデザインの業者が別なので、メニューにまで反映されていないのです。
せっかくお店のコンセプトに力を入れたのであれば、メニューデザインにまで気を配りましょう。
特にメニューはお客様が一番近くで目にする物です。言い換えれば、一番お店らしさを伝えることができます。
これで「○○といったらあの店!」というブランディングにも効果を発揮させることもできるでしょう。
自分でメニューをデザインする時のポイント
お客様はメニューを見て商品をオーダーします、すなわちメニューから売上が生まれるわけです。
料理屋お店の魅力をしっかり伝えられるメニューを作りたいものですよね。
メニューをしっかりと考えて作成することはとても大切なことなので参考にしてください。
コンセプト・ターゲットに合わせる
先ほどもお伝えしましたが、まずはお店のコンセプトに沿ってターゲットに合わせたデザインを意識しましょう。お店ならではのメニューで個性や魅力を引き出せると素敵ですね。
- 和食
- 洋食
- 中華
- サラリーマン向けなら
- 女性向けなら
- ビジネス街………etc
まずはお店の業態・コンセプト・ターゲットを認識し下記の4つのポイントをおさえていきましょう。
【参考記事】
「ココを押さえておけばOK!飲食店のコンセプトの考え方と作り方」
コンセプトや季節にあった色使いをする
主に「背景」「テキスト」などの色の事ですね。人が色から受ける印象は非常に大きいので、お店のコンセプトや季節メニューに合った色使いをしましょう。
色ごとにまとめてみました。
色 | 人に与えるイメージ | 良く使われる業態 |
●赤 | 熱い、情熱的、力強さ、活気 | 居酒屋、和食、焼肉etc |
●黄 | POP、輝き、栄光、可愛い | 居酒屋、洋食、カレー屋etc |
●緑 | 安心・安全、癒し、自然、健康 | Café、ダイニングetc |
●青 | クール、冷たい、海、清潔 | Café、洋食、海鮮系etc |
●紫 | 不思議、スピリチュアル、大人 | 和食、居酒屋etc |
●黒 | お洒落、落ち着き | 多くの飲食店 |
あったかさや活気のイメージを与える暖色から寒色になるにつれて落ち着きやスタイリッシュ感が出てきますので、自身のお店のコンセプトやターゲット層がどんなシーンや雰囲気のニーズなのかで決めていきましょう。
また、季節ごとにメニューを変えるのなら色は重要ですね。
配置やレイアウトを工夫する
商品は「売りたいものを見やすい場所に、大きく」配置しましょう。お店の売り・キラーメニューなどがいいと思います。
もしくは原価の安い利益率の高いものを見えやすいところに配置したりと戦略的に考えることもできます。図でわかりやすく説明しましょう。
同じメニュー内容だとしたて印象に入ってくるメニューはどうでしょうか?参考メニュー1の「商品A」がとても目立っていますよね??
このように視覚的に目立たせることにより、注文比率を上げることが可能ですので、売りたいものを売れる場所に配置しましょう。
カテゴライズは分かりやすく!
お客様がどこに何が分かりやすく見てもらえるように「カテゴリー毎」に商品を配置しましょう。
さらに説明文やこだわりや産地などを入れて注文意欲をアップさせるなどの「自分がお客さんだったら」の目線を持つことが何よりも大切です。
写真やイラストこだわる
メニューに写真を使う際に「シズル感」を大切にしましょう。シズル感とは簡単に説明すると「みずみずしく美味しそう」的なことです。
メニューに使う写真が美味しくなさそうであればそれだけで注文比率は下がります。自身のお店のお料理の魅力を100%伝えられる写真を使いましょう。著者個人的にもここはしっかりとこだわった方がいいと思います。
ちょっと極端ですが上記の二つのドーナツを比較してどう思いますか?
上のドーナツの方が「美味しそう」ですよね?この少しの違いがお客様の注文に影響してきますので気をつけましょう。
イラストに関しても同様ですが、上記でお伝えしたお店にあった(コンセプトに沿った)デザインで挿入するか自分で描きましょう。
例えば、POPなイラストが高級な業態のメニューに入るだけでイメージがガラッと変わってしまいます。しっかりと自店を俯瞰的に見つめましょう。
フォントも重要
フォントに関しても写真やイラスト、色同様フォントの違いや文字の太さなどで与える印象に違いがありますので注意しましょう。
見ただけでPOPかスタイリッシュかで違いがありますね。わかりやすくお伝えするなら「筆で書いたような文字」=「和」や「落ち着き」を印象させると思います。
そのようにフォントに関してもコンセプトやターゲットに合わせていきましょう!
自分でメニューを作る方法
自分でメニューを作る方法と言えば、大きく分けるとPCなどを使った「デジタル」か手書きで行う「アナログ」のいずれかになるかと思います。
それぞれのメニューの作り方を具体的にお伝えしていきます。
PCで制作にあたって使えるソフト・サイト
Adobe関連…Illustrator、Photoshop
ソフト名 | 月額 | 内容、作成における用途 |
Illustrator | 2,180円/月 | メニューのデザイン編集 |
Photoshop | 2,180円/月 | 写真の加工や編集 |
上記のプラン以外にもAdobeの複数のソフトをまとめて利用できるコンプリートプラン(4,980円/月)などもありますが、メニューのデザインだけで利用するのは上記の二つがメインかと思います。
難易度はかなり高いのですが思いのままにデザインができますので、意欲的な方は挑戦してみてください。著者はいつもAdobe関連で仕事をしています。
Office関連…Excel、Word、PowerPoint
あまりデザイン性はないのですが難易度はAdobeに比べて圧倒的に低いです。
シンプルなメニューや写真も挿入が楽だったりするので手書きはちょっと、、業者に依頼するのはお金がかかるし、、という方にはいいかもしれません。
テンプレートを無料でダウンロードできるサイトもありますので是非参考にしてみてください。
▼エクセルで作る飲食店メニュー
画像引用元「エクセルで作る飲食店メニューHP」
縦書き、横書き、POP用などのテンプレートがExcel形式でダウンロード可能なのでデザインのほとんどをダウンロードし、メニュー名などを自由にいれられ尚且つ「無料」です。
▼素材工房
画像引用元「素材工房HP」
会員登録なし・全て無料でイラスト素材・PowerPoint形式テンプレートがダウンロードできます。著者個人的にはExcelやwordよりも、PowerPointがOfficeソフトでは一番デザインは向いているかと思います。
▼パワポン
画像引用元「パワポンHP」
アスクルのネット印刷”パプリ”が運営する無料のデザインテンプレートサイトで、PowerPoint形式テンプレートがダウンロードできます。
手書きで制作にあたって使えるモノ・サイト
メニュー紙
紙質一つでメニューのクオリティが見違えるほど変わってきます。和食であれば和紙や高級紙を使用するだけで雰囲気が出ますし、カフェやダイニングであればクラフト紙なんかおすすめですね。
ペン
ペンに関しても使うもので雰囲気を変えられますね。筆ペンやカラーペンなど様々なものでご自身の思い描くメニューを作成しましょう。
【番外編】印刷に関して
PC、手書きでのメニューデザインをしても印刷しなくてはいけません。もちろんお店によっての必要な席数分の枚数は違いますが必ず複数枚必要になってきます。
お持ちのプリンターでの印刷も可能ではありますが、下記にて印刷に関しての便利なお店やサイトもご紹介しておきます。
全卓分の印刷となると量もありますので、印刷に関しては業者さんに依頼してみてもいいです。
kinko’s
全国に店舗を構えている「kinko’s」
24時間開けている店舗もあったりするので著者も何度救われたかわかりません。印刷用紙も買えて、データだけを持っていけば印刷が可能なのでとても便利です。
参照元サイト「kinko’s」
メニューデザインを依頼する場合の費用と業者の例
メニューデザイン作成に関してご自身でやる暇がない、経験がないという方は素直に業者に依頼しましょう。
飲食店の本業は接客サービスだったり運営ですので、無理に自分で時間をかけて作り、出来栄えも悪く…なんてことになったら悪循環ですので割り切ることも大事です。
メニューのデザイン制作の業者も多いのですが金額も本当にピンキリです。
相場的には大体1ページ10,000~20,000円くらいで、さらに写真の撮影を入れると1時間 20,000〜30,000円くらいですので頭に入れておきましょう。
下記では用途や希望に合わせたサイトやサービスをご紹介しますので是非参考にしてみてください。
【撮影など全てを任せたい人向け】メニュー制作工房
画像引用元「メニュー制作工房HP」
写真撮影を含むパック料金もあり印刷までしてくれる業者です。デザインに関しても打ち合わせにてヒアリング形式でイメージを伝えられるので「お手軽」にメニューを依頼できますね。
【企画力・デザイン力・品質重視】HERMES INC
画像引用元「メニュー制作工房HP」
大手の飲食店のメニューなども手掛けている会社です。メニューに関して、とことんこだわりたい!という方におすすめですね。
クラウドにてデザインを募集できるサイト
「ランサーズ」など、金額やデザイナーを指定できたりと今話題のシェアリングビジネスですね。
値段も安価なので、いいデザインを作ってくれる人と巡り会えればとてもコスパが良いと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
改めて振り返ってみると、メニューのデザイン一つとってもとても大事なことが分かったかと思います。
自分で作るもよしプロに任せるのもよしですが、メニューのデザインをいい加減にせず、限られた開業までの時間の中でメニューについて考える時間もきちんと取っておきましょう!
無料で受けられる
|