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外注工賃と給与賃金との違い。どっちで処理した方がお得?メリットや源泉徴収について解説

外注工賃とは、外部の業者に何か仕事を依頼した時の費用に対する勘定科目のことで、単に外注費とも呼んだりしますね。

また、最近では社員として決まった給与を支払うのではなく、業務委託契約といった形で仕事を依頼して外注工賃で報酬を支払うという形も増えてきています。

今回は、どのような支払いが外注工賃になって、給与とどのような違いがあるのか?などをお伝えしていきたいと思います。

個人事業主の方でも、ご自身の力1つだけで事業を完成させることは難しいでしょうから、ぜひ外注工賃の基本的な意味くらいは知っておいていただければと思います。

この記事で分かること
外注工賃として経費にできる費用の種類
外注工賃と給与賃金の違い
外注工賃を使った時の帳簿の付け方

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外注工賃とは?外注工賃になる費用の種類

お伝えの通り、外注工賃とは外部の業者に仕事を依頼した時の費用のことで外注費とも呼ばれます。

外注工賃として代表的な支払いの例は、

  • WEB開発費
  • デザイン料
  • 事務代行
  • 営業代行

などがあります。

外注工賃は実は2種類

青色申告決算書には、実は外注工賃が「経費になる外注工賃」「製造原価(仕入高)になる外注工賃」の2つがあります。

ある程度予想はできると思いますが、経費の外注工賃は外部の業者に制作・加工してもらった物を直接販売しない場合に使い、処理も経費で行います。

製造原価の外注工賃は、外部の業者に一部制作・加工してもらった物を自社製品として販売する時に使い、正確には仕入高として処理するようにします。

外注工賃は消費税込み

また、外注工賃は課税取引になるので課税事業者(2年前の申告の課税売上が1,000万円を超えている事業者)は、消費税の控除を受けることができます(消費税の免税事業者は、消費税納税がありませんので控除も無しです)。

例えば、年間売上税込で2,140万円(税込)で外注工賃を108万円(税込)で支払っていた場合、本来140万円を消費税として納める必要がありますが、外注工賃の消費税8万円を引くことができます。

納める消費税が132万円に減るということですね。この点、給与賃金と支払った場合と比べると納める消費税が低くなりますので、状況に応じて外注工賃と上手く使い分けていただければと思います。

外注工賃と給与賃金の違い

上で少し触れましたが、外注工賃として支払っている費用を給与賃金として支払える(支払うべき)場合があります。

例えば、毎月同じ個人(フリーランスや職人、一人親方と呼ばれる方)に業務を依頼していたとします。この場合、外注工賃にも給与賃金にもすることができます。どちらの費用として支払った方が良いのでしょうか?

事業主にとってメリットが多いのは外注工賃

結論を先に言うと、外注工賃にした方が事業主側の負担が減ります。外注工賃にするメリットには以下のものがあります。

源泉徴収が不要になる場合も

給与賃金として費用を支払った場合、必ず源泉徴収も必要になります。源泉徴収とは、簡単に言うと、給与を払った相手の所得税を源泉所得税としてあらかじめ給与天引きして天引き後を給与として支払うことです。

先にもらった源泉所得税は、徴収した事業主が代わりに税務署に納税します。さらに支払調書の提出義務も生じます。

すでに他の従業員を雇っていて、源泉徴収をしている事業主であればある程度理解はできるでしょうが、源泉徴収をやったことが無い個人事業主の方は源泉徴収という行為だけでも手間になるでしょう。

1人で事業をやっている個人事業主の方であれば、源泉徴収なしで外注工賃にすることもできるので、そちらの方が手間もかなり少なくなるでしょう。

消費税が免税

上でもご説明しましたが、消費税の課税事業者は外注工賃で支払った費用の消費税分を控除することができます。

給与賃金として支払ってしまうと、消費税の控除は無くなりますのでご注意ください。

社会保険料の負担も無し

外注工賃で費用を支払えば、支払った相手の社会保険料を事業主が負担する必要はありません。

しかし、給与賃金で支払うことにより支払った相手は従業員となり、その従業員の社会保険料も事業主が一部負担する必要があります。

外注工賃にするための条件

このようなことから、金銭的な面でも手間的な部分でも給与賃金で支払うよりも、外注工賃で支払えるのであれば外注工賃で支払った方が事業主側のメリットが多いのです。

「それなら、従業員の給与賃金ではなく業務委託で外注工賃で支払った方が断然良い!」という発想になるでしょうが、外注工賃として支払うためには5つの条件を満たす必要があります。

作業時間の指定や拘束が無いこと

会社員やパートなどのように、何時に仕事をして何時に終わるなどの時間の拘束をしている場合は外注工賃にできません。している場合は給与賃金で支払います。

【例】
外注工賃:「〇月末までにホームページの制作をお願いします。」
給与賃金:「ホームページ制作のために今週の平日10~18時に働いてください。」

報酬は時間給で決めないこと。成果物で決めること

報酬を働いた時間で計算して支払えば給与賃金になります。外注工賃は、あらかじめ決めた成果物に対して支払うようにします。

【例】
外注工賃:「ホームページが完成したので報酬10万円をお支払いします。」
給与賃金:「ホームページ制作に100時間かかったので10万円をお支払いします。」

具体的な指示はせずに裁量をもって作業してもらうこと

外注工賃で依頼するにあたって、ある程度依頼した相手の裁量によって作業してもらう必要があります。具体的な指示をし過ぎると給与賃金になる可能性があります(程度によりますが)。

【例】
外注工賃:「このような人達に向けてこのようなホームページを作ってください。」
給与賃金:「ここの色は赤で、ここはこうして欲しいので修正してください。」

当人以外の替わりの人の作業を認めること

依頼した人だけの成果物しか認めなければ実質拘束していることにもなりますので、外注工賃では替わりの人の作業を認める必要もあります。

【例】
外注工賃:「ホームページを作成してください。以上」
給与賃金:「Aさんが作ってくださいね。替わりの人が作ったものはダメですよ。」

作業用具の用意を事業主がしないこと

作業をするにあたって必要な用具を事業主が用意していた場合、雇用して給与賃金として支払うべきと判断される可能性があります。

用具を用意しているということは、併せて作業場所の指定も行われることも多いでしょうからそのことも含めて給与だと判断される要因になります。

【例】
外注工賃:「パソコンなどはご自身の物を使ってください。」
給与賃金:「パソコンなどはウチのオフィスにある物を使ってください。」

外注工賃として支払っていても源泉徴収の必要がある場合がある

上で、外注工賃で費用を支払えば源泉徴収の必要がないとお伝えしましたが、これは一部の個人事業主の方に限られます。

まず、法人の場合は外注工賃であっても源泉徴収を行う必要があります。そして、個人事業主の方でも源泉徴収義務者であれば外注工賃での源泉徴収が必要となります。

源泉徴収義務者に該当する場合

  • 法人
  • 他の従業員に給与の支払いがある
  • 青色事業専従者への給与を支払っている

正社員やパート、アルバイトなどへの他の従業員を雇って給与を払っている場合は源泉徴収義務者になるので、外注工賃として報酬を払っても源泉徴収が必要になります。

青色専従者給与を払っている場合も原則的には源泉徴収義務者ですが、毎月88,000円未満の支払いで扶養控除等申告書を提出していれば源泉徴収も免除になります。

源泉徴収義務者に該当しない場合

  • 1人で仕事をしている個人事業主
  • 常時2名以下のお手伝いのような家事使用人にだけ給与を払っている場合

まず、従業員を雇わず普段は1人で仕事をしている個人事業主の方は源泉徴収が免除されているので、外注工賃で外部に報酬を支払っても源泉徴収の必要はありません。

他に給与を支払っている人がいても、その人が2名以下で内容も家事手伝いのような内容であればこちらも源泉徴収の必要はないでしょう。

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外注工賃を使った時の帳簿の付け方と残しておく書類

どのようなものが外注工賃にできて、どう処理すべきか給与との違いも分かっていただけたと思いますので、こちらでは実際に外注工賃を使った場合の帳簿の付け方と、万が一税務署から尋ねられた時のために残しておきたい書類についてご説明します。

外注工賃を使った時の記帳方法

まず、外注工賃を使った時の帳簿の付け方です。

上で源泉徴収がある人とない人がいるとお伝えしましたので、それぞれの帳簿の付け方をお伝えします。

源泉徴収なしで外注工賃を支払った場合

借方勘定科目 借方 貸方勘定科目 貸方
外注工賃 100,000 現金 100,000

源泉徴収が無ければ、他の経費を使った時と同じような形ですね。

源泉徴収ありで外注工賃を支払った場合

借方勘定科目 借方 貸方勘定科目 貸方
外注工賃 100,000 現金 89,790
預り金 10,210

源泉徴収がある場合は少し難しくなります。

まず外注工賃10万円で依頼した時に源泉徴収が生じた場合、税率10.21%が源泉所得税となります。10万円×10.21%をかけた89,790円を依頼先に支払います。

残りの10,210円は源泉所得税としていったん預かる形になりますので、預り金として帳簿に分けて記載します。

借方勘定科目 借方 貸方勘定科目 貸方
預り金 10,210 現金 10,210

預かっていた源泉徴収税は、原則的に翌月10日までの納税する必要があります。納税した場合は、このように預かり金を支払ったことを記帳すれば良いでしょう。

これだと何の預り金か分からなくなることもあるので、摘要などで「源泉徴収税」などと内容が分かるように残してくとさらに良いです。

外注工賃を経費にする時に残しておきたい書類

外注工賃も経費になりますので、他の経費と同じく領収書のように支払ったことが分かる証拠を残しておく必要があります。

相手が業者であれば、向こうから請求書や領収書は用意してくれるでしょうが、個人の場合はこちらが書類作ってもらうことを指示しないと忘れてしまうこともありますので、お気を付けください。

以下のような書類を用意しておきましょう。

領収書

他の経費と同じく支払ったことが分かる領収書が一番信ぴょう性も高く用意もしてもらいやすいでしょう。

仕事を依頼した相手に領収書を用意してもらうようにお願いしてみましょう。

請求書

仕事を依頼して報酬を支払うまでの過程で、相手から請求書を受け取ることもあるかと思います。

請求書だけでは支払ったという証明はできませんが、どのような内容で外注工賃を払っているのかの詳細が分かりやすいと思いますので、一緒に残しておくと良いでしょう。

その他支払ったことが分かる書類

領収書を貰えなかった!というような場合でも支払ったことが分かる書類があれば証拠になります。

銀行振込で外注工賃を支払っている場合、口座の履歴や振込証なども証拠になります。領収書が残せなかったという時は取っておきましょう。

まとめ

外部に仕事を依頼した場合は、外注工賃として経費にするもできます。

ただ、今回ご説明したように、仕事のやり方によっては外注工賃ではなく給与賃金になることもあるのでご注意ください。

また、外注工賃でも源泉徴収をする必要もあります。

餅は餅屋で、専門的な知識や経験にお願いしたり、ちょっと手伝ってもらいたい時には外部に任せた方が良いことも多いでしょうから、その場合は今回お伝えした外注工賃をぜひ有効に使って事業を発展させていきましょう。

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