買掛帳とは、買掛金(≒ツケ)を記帳しておく帳簿のことで、提出の必要はありませんが確定申告をするために記帳の義務があります。
個人で事業をされている方であれば、毎年必ず確定申告をすると思います。
その際にいくつか必要な帳簿があるのですが、今日はその中の一つ「買掛帳」の必要性や書き方についてご説明していきたいと思います。
この記事で分かること |
❶ 買掛帳の役割と必要性 ❷ 買掛帳の作り方 |
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買掛帳とは?買掛帳を作る理由と必要性
確定申告の記帳について調べていると買掛帳について度々出てきますが、そもそも買掛帳は必要なのでしょうか?
まず初めに買掛帳の必要性やどのような場合に作成の必要があるのかを解説します。すでにご存じの方は、「記入例付きで解説!買掛帳の書き方」から読んでいただいても構いません。
買掛帳とは?買掛帳の役割
買掛帳とは、買掛金を管理する帳簿のことです。
商品や材料を仕入れ、代金を即日ではなく掛け払い(≒ツケ)にしたとき、この代金を買掛金とし、仕入先毎に残高を管理することができます。
例えば、仕入れ先から月に何度か仕入れて、月末締めで翌月まとめて請求書で代金を支払うというようなことがあると思いますが、その場合は毎回の仕入れ時に代金を支払っていませんので買掛金が発生していることになります。
確定申告をどのやり方でやっても買掛帳は必要
結論から申し上げますと、確定申告をする方は買掛帳の作成義務があります。
確定申告には白色申告と青色申告の二通りありますね。
白色申告にすれば記帳が楽になるというイメージをされている方もいるかもしれませんが、買掛金が発生したのであれば、白色申告であっても買掛帳を作っておく必要があります。
また、青色申告には記帳方法が簡易簿記と複式簿記の2種類に分かれますが、どちらにせよ買掛帳は必要な帳簿になります。
買掛帳と売掛帳の違い
買掛帳とセットで覚えておきたい帳簿が「売掛帳」です。
簡単に言うと、買掛帳はこちら側がまだ支払っていない買掛金に対して記録しておく帳簿ですが、売掛帳はその反対の取引先がまだ支払っていない売掛金に対しての帳簿となります。
売掛帳について詳しくは以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】
「売掛帳とは?売掛帳が必要な理由と書き方・作り方」
記入例付きで解説!買掛帳の書き方
買掛帳がどのようなものなのかおおよそ分かって頂いたところで、こちらでは実際の買掛帳の書き方について実際に例を挙げながらご説明していきたいとします。
複式簿記と簡易簿記での買掛帳の書き方の違い
先ほどもお伝えしましたが、確定申告には青色申告と白色申告(簡易簿記)があり、青色申告には簡易簿記と複式簿記の2種類の記帳方法があります。
いずれにせよ買掛帳の必要性はあるのですが、書き方に少し違いがありますので下記で書き方の違いをご説明します。
複式簿記で帳簿を付けた場合
複式簿記は正式な簿記になりますので、簿記がわからない方ですと記帳は少し難く感じると思います。買掛帳以前に、仕訳がわからないと買掛帳はおろか他の必要な帳簿も作成できません。
そこまでして複式簿記で帳簿を付ける一番の理由は、節税効果が大きいからです。簡易簿記から複式簿記に変更することで、青色申告での控除額が10万円から65万円に増額します。この金額は大きいので、多少難しくなっても会計ソフトなどを使いながら複式簿記でされる方も多いですね。
簡易簿記で帳簿を付けた場合
簡易簿記にする理由は、帳簿作成が楽になるということですね。しかし、お伝えの通り控除額が65万円から10万円に下がることは頭に入れておきましょう。
複式簿記で必要だった仕訳帳と総勘定元帳の作成義務が無くなりますので、帳簿作成の手間が省かれますし、下でご説明するように買掛帳での書き方も簡単になります。
白色申告でも買掛帳の作成義務があるとお伝えしましたが、白色申告は簡易簿記のやり方で買掛帳を作ります。
買掛帳の記入例|複式簿記の場合
例えば、A商店から掛け(ツケ)で、30,000円のパソコンを5台仕入れたとします。
日付は、実際に商品が到着した日を書きます。単純に納品された日にするのか、納品後検品をした日にするかは、会社(ご自身)で決めて統一していただければいいかと思います。
勘定科目は仕入、摘要は商品名、数量、単価、仕入金額を入れます。
掛けで買ってまだ代金を支払っていないので、残高が150,000円となります。
それでは次に、6/30に仕入金額を現金で支払った時の記入をしてみましょう。
日付は実際に支払った日を書き、勘定科目は現金。摘要は現金支払い。支払金額と残高を入れます。
全額支払ったので残高が0になりました。
買掛帳の記入例|簡易簿記の場合
簡易簿記は、簡易的な簿記で家計簿のようなイメージですので、そんなに苦労なく記帳できると思います。
複式簿記の書き方とほとんど変わらないのですが、勘定科目を記入する必要がありません。
買掛帳を書く時の注意点
以上が基本的な買掛帳の書き方でしたが、買掛帳を書く時に気を付けることについて触れておきたいと思います。
送料や手数料が発生した場合の書き方
商品を仕入れる際、送料などがかかることがあると思います。
送料は運送費などの科目にすることもできますが、「仕入」に含めるのが一般的です。
仮に、送料が1,000円かかったとしたら、次のように記入することができます。
摘要には送料ということがわかるように記入しますが、勘定科目は仕入にします。
未払金と買掛金の違い
買掛金に似た未払金という科目について触れたいと思います。
未払金はその名の通り未払い代金を意味するのですが、買掛金もまた未払いという意味あいもあるので勘違いする人も多いのではないでしょうか。
買掛金は販売するために仕入れたものに対して使う科目であるのに対し、未払金はその他の経費に対して使う科目になります。
会社の備品として使う文房具や机などをツケで買った場合は未払金となるわけです。
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買掛帳の実際の作り方
それでは、買掛帳の書き方がある程度分かったところで、実際の買掛帳の作り方を3つご紹介していきたいと思います。
それぞれ向き不向きがあると思いますので、一番やりやすい方法を選んでいただければと思います。
会計ソフトで作成
やっぱり買掛帳を書ける自信がない、不安という方もいらっしゃると思います。そんな方々のために、会計ソフトという手段があります。
手書きの大変さもありませんし、圧倒的にラクチンで時間短縮になると思います。複式簿記を選ぶのでしたら、断然会計ソフトで帳簿作成するのがおすすめです。
自動化で作成が楽になる!
また、最近の会計ソフトには自動でやってくれるものが多いです。
例えば、仕訳(取り引き入力)さえやっていれば後は自動で帳簿を作成してくれたり、口座などと連携して取引内容を自動で記録してくれたり、領収書や明細を取り込めば自動で勘定科目を提示してくれます。
著者も何年も経理をやっていますが、科目を決めるのが意外と面倒な作業だったりもしますので、会計ソフトが科目を教えてくれるのはとてもありがたいですね。
公式サイト | 解説記事 |
「freeeの無料プランでできること」 「freeeの料金は?」 「freeeの評判は?」 |
|
「MFクラウドが無料でできること」 「MFクラウドの料金」 「MFクラウドの評判は?」 |
|
「やよいオンラインシリーズの無料プランでできること」 「やよいのクラウド確定申告の評判」 |
【関連記事】
「クラウド会計ソフトを使うメリットとおすすめクラウド会計ソフト比較」
エクセルやテンプレートの活用
手書きではなくエクセルなどで作ることもできます。エクセルなので手書きする必要はないですし見やすいと思います。
ご自身でエクセルで作ってもいいですし、最近は無料のテンプレートなどもありますので、そちらをダウンロードすることもおすすめです。
手書きのノートよりは入力の方がはるかにラクかと思います。
パソコン操作に慣れている方、仕事でパソコンを少しでも使う方はこちらの方法も効率的でしょう。
参考サイト:「ビズオーシャン」
手書きで作成
買掛帳の原本と言いますか、帳簿自体は文房具屋さんにも売ってあります。それを購入して手書きで作るという方法ですね。
手書きの方が頭に入ってきやすいという方も多いはず。
価格は1,000円もあれば十分なものが買えるでしょうし、Amazonなどでも購入可能です。
ただ、あくまでも買掛帳1冊での話です。仕訳帳などの他の帳簿も別途用意する必要がありますし、個人事業主の帳簿の保管期間は7年です。
7年分の帳簿全てを保管しておくことを少し頭に入れて、手書きで残すかどうかを検討してみましょう。
Amazonで買掛帳を探す |
楽天で買掛帳を探す |
まとめ
以上、個人事業初心者向けの買掛帳の書き方、作り方でした。
簡単にまとめますと、
- 掛け払い(ツケ)をしたなら買掛帳は確定申告で必要
- 簿記がわからなくても簡易簿記の買掛帳なら比較的簡単に書ける
- ただし、青色申告で65万控除を受けたいなら買掛帳作成の難易度が上がる
- 自動化が進んでいる会計ソフトなら簿記があまりわからない方でも買掛帳が簡単に作れる
簿記の知識がない方は、初めは簡易簿記の買掛帳を書いてみるのもいいかもしれませんね。
ある程度は簿記の知識があったほうがいいとは思いますが、記帳に時間をかけすぎてしまいそうでしたら、効率的に会計ソフトを使うことをおすすめします。
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その他の帳簿に関する記事一覧
確定申告で必要になる帳簿の種類は買掛帳だけではなく、他にも様々なものがあります。書き方などが気になる帳簿があれば併せてご覧いただければと思います。
記帳全般の内容
▼「帳簿にはどんな種類がある?」
▼「主要簿の目的や必要性は?」
▼「補助簿の種類や必要性とは?」
▼「簡易簿記とは?帳簿の書き方や作り方」
▼「複式簿記とは?複式簿記の重要性」
▼「青色申告で必要な帳簿の種類は?」
それぞれの帳簿について
▼「仕訳の基礎から仕訳帳の作成方法」
▼「総勘定元帳とは?仕訳帳からの転記方法」
▼「売掛帳が必要な理由と書き方・作り方」
▼「預金出納帳をつける理由と書き方・作り方」
▼「経費帳を作る理由と書き方・作り方」
▼「現金出納帳とは?書き方・作成方法」
▼「固定資産台帳を作る目的と必要性は?」