簡易簿記(単式簿記)とは、確定申告で必要な帳簿をつけるときの記帳方法の1つで、1つの勘定科目を用いて「目的」のみを記録するのが特徴です。

青色申告における簡易簿記の控除額は10万円なので、65万円の複式簿記ほどの節税にはなりませんが、帳簿作成が簡単というメリットがあります。

今回は、簿記初心者でも簡単に帳簿付けができる、簡易簿記の特徴や確定申告における簡易簿記の比較、帳簿の書き方や作り方について詳しく説明したいと思います。

この記事で分かること
簡易簿記と複式簿記の違い
発生主義と現金主義の違い
簡易簿記で帳簿を付ける方法

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簡易簿記の特徴と複式簿記との違い

まず初めに、簡易簿記とは何かについてその特徴ともう1つの記帳方法『複式簿記』との違いについて説明したいと思います。

簡易簿記とは?

簡易簿記とは、確定申告で必要な帳簿をつけるときの記帳方法の1つです。

簡易簿記は、1つの勘定科目を使ってその取引の「目的」のみ帳簿に記録しますので、複雑ではなく、お小遣帳のように簡単に記帳することができます。

3月1日 消耗品費 1,000円

このように簡易簿記では、いつ(日付)・何に(目的)・いくら(金額)使ったかと言ったことを書くことが基本ですので、簿記の知識がほとんど無い方でも簡単に帳簿を付けることができるでしょう。

ちなみに、簡易簿記は単式簿記とも呼ばれています。

【参考記事】
単式簿記とは?

簡易簿記と複式簿記の違い

帳簿の記帳方法には、簡易簿記の他に複式簿記があります。簡易簿記と複式簿記はどのように違うのかについて説明します。

帳簿に記録する内容の違い

簡易簿記と複式簿記は、取引の記録方法が異なります。

簡易簿記は1つの勘定科目を使って「目的」のみを記録するのに対し、複式簿記は2つ以上の勘定科目を使って「目的」と「手段」を記録します。

3月1日 消耗品費 1,000円 現金 1,000円

このように、簡易簿記では目的(ここでは消耗品費)だけだった勘定科目が、手段(ここでは現金で1,000円払ったという内容)まで増えることになります。

複式簿記は、その勘定科目を借方と貸方に分ける『仕訳』をして記録するのですが、この仕訳は簿記の基礎となるので、複式簿記は基本的な簿記の知識がないと少し記帳が大変です。

つまり、複式簿記は簡易簿記のようには簡単にはいかないというわけですね。

青色申告での控除額の違い

簡易簿記と複式簿記のもう1つの違いは、青色申告での控除額です。

青色申告には青色申告特別控除というものがあるのですが、簡易簿記と複式簿記のどちらで記帳するかによって控除額が大きく変わります。

簡易簿記→10万円控除
複式簿記→65万円控除

同じ青色申告でも簡易簿記か複式簿記かでこんなに控除額が違うわけです。

ちなみに控除額55万円分の差と言えば、税金で言うと約10万円前後違ってくるわけです(所得額にもよりますが)。

つまり、簡易簿記で簡単に帳簿作成を終わらせてしまうか、複式簿記で少ししっかりした帳簿を作ることで控除を増やして税金を抑えるか、という違いがあるのです。

【参考記事】
複式簿記の重要性とその書き方や帳簿の作り方

簡易簿記の種類|簡易簿記には発生主義と現金主義がある

冒頭で簡易簿記とはどんなものか説明しましたが、実は簡易簿記には2種類あります。

たとえ知らなくても確定申告には大きく影響しないと思いますが、知っておいて損はないので説明します。

発生主義と現金主義の違い

簡易簿記の記帳は白色申告と青色申告のどちらでも発生主義が基本になりますが、青色申告では現金主義での記帳も可能です。

発生主義と現金主義の違いを説明すると

発生主義→現金の増減に関わらず、取引があったら記録する
現金主義→現金の増減があったときのみ記録する

例えば発生主義は、何か商品をクレジットカードで買った場合、商品を買った日と実際にお金が引き落とされた日の2つを記録します。

これに対し現金主義は、実際にお金が引き落とされた日のみ記録します。

つまり、現金主義は現金が動いた取引しか記録しなくていいので、帳簿を付けるのがかなりラクになるというわけです。

ちなみに、現金主義は現金式簡易簿記とも呼ばれます。

【関連記事】
発生主義と現金主義の帳簿の付け方の違い

確定申告を現金式簡易簿記で行う条件

記帳が簡単になる現金式簡易簿記ですが、確定申告を現金式簡易簿記にするにはいくつか条件がありますのでご説明します。

①青色申告で行う
②事前に届出書を提出する
③前々年度の所得が300万円以下であること

上記の条件をクリアしなければ現金式簡易簿記で確定申告を行えません。

①②は後述しますが、③の前々年度の所得が300万円以下であることとあります。つまり、小規模事業者が条件ということになります。

現金式簡易簿記に必要な届出書

現金式簡易簿記にするには、上記で説明した通り青色申告で事前の届出書の提出が必要になります。

通常の青色申告の場合は「青色申告承認申請書」の提出ですが、現金式簡易簿記の場合は「青色申告承認申請書(兼)現金主義の所得計算による旨の届出書」を提出します。

提出期限は青色申告承認申請書と同じ、確定申告をしようとする年の3月15日まで、新規開業の方は開業日から2ヶ月以内となっています。

青色申告承認申請書については他の記事でも説明していますので、そちらも参考にしてみてください。

【関連記事】
青色申告承認申請書の提出期限と書き方

現金式簡易簿記のデメリット

下でもご説明しますが、現金式簡易簿記には必要になる帳簿の種類も少なく、しかも青色申告特別控除を発生主義と同じく10万円もらえるというメリットがあります。

しかし、実際に現金式簡易簿記で帳簿を付けている人はかなり少ないです。それには以下のデメリットや理由があるからです。

切り替えに手続きが必要になる
所得が300万円未満である

現金式簡易簿記には事前申請が必要になるとお伝えしましたが、一方で対象が所得300万円未満の小規模事業者限定になります。

所得がそこまで多くないので、税金や確定申告のことに関してそこまで詳しく調べておらず、そもそも現金式簡易簿記や事前申請のことを知らない方も多いです。

また、ここでの所得とは売上から必要経費を引いた金額を言います。所得300万円未満と言うと、自分以外のご家族まで養っていこうとするとその事業1本だけでは厳しくなってくるくらいの金額です。

今は300万円未満でも、いずれはそれ以上にしたい・なるように計画している方が大半なので、わざわざ申請してまで現金式簡易簿記にする方は少ないのでしょう。

簡易簿記で必要な帳簿の種類と確定申告のやり方による違い

青色申告には簡易簿記と複式簿記の2種類の記帳方法いずれかで帳簿を付けることになりますが、白色申告の記帳方法は基本的に簡易簿記で問題ありません。

さらに、先ほどお伝えしたように青色申告の簡易簿記では通常の発生主義と現金主義(現金式簡易簿記)に分かれます。

つまり、確定申告のやり方によって3種類の簡易簿記の方法があるわけです。それぞれの簡易簿記でどのような帳簿が必要で控除額がいくらになるのかをお伝えしたいと思います。

3種類の簡易簿記で必要になる帳簿の種類

白色申告の簡易簿記と青色申告の簡易簿記、現金式簡易簿記で作成する必要性がある帳簿は以下のものになります。※リンク先で各帳簿について説明しています。

白色申告 青色申告
記帳方法 簡易簿記 簡易簿記 現金式簡易簿記
作成義務がある帳簿 現金出納帳
買掛帳
売掛帳
経費帳
固定資産台帳
現金出納帳
買掛帳
売掛帳
経費帳
固定資産台帳
現金出納帳

白色申告と青色申告ともに、簡易簿記では、現金出納帳・買掛帳・売掛帳・経費帳・固定資産台帳を作成する必要があります。

一方で青色申告の現金式簡易簿記では、現金出納帳のみが作成義務となっています。現金が動いたことのみを帳簿に付けていけばいいだけなので簡単ですね。

【参考記事】
確定申告で必要な帳簿の種類や作り方
青色申告で必要な帳簿の種類は?

3種類の簡易簿記の控除額

では次に、白色申告の簡易簿記と青色申告の簡易簿記、現金式簡易簿記の控除額を説明します。

白色申告 青色申告
記帳方法 簡易簿記 簡易簿記 現金式簡易簿記
控除額 なし 10万円

白色申告と青色申告での簡易簿記は、同じ種類の帳簿を作成するのにもかかわらず白色申告の方に控除がありません。事前申請は必要になりますが、青色申告にした方が税金面で得をすることになりますし、他にも青色申告のメリットは多いです。

そして、青色申告では簡易簿記と現金式簡易簿記のどちらも控除額が10万円になります。

これなら、帳簿作成も簡単で現金主義の方がいいと思ってしまうことでしょう。しかし、上でもお伝えしたように現金式簡易簿記には現金式簡易簿記なりのデメリットもありますので、しっかり先を見据えてどの方法で帳簿を付けていくのかを決めていきましょう。

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簡易簿記の書き方と記入例

こちらでは、簡易簿記での帳簿の付け方を記入例を交えながらご説明していきたいと思います。

今回は、現金出納帳を例に簡易簿記での書き方を説明したいと思います。いくつか例を出しますので、記入例を見ていきましょう。

  1. 9/1にパソコン1台を現金90,000円で購入した。
  2. 9/20に100,000円現金を引き出した。
  3. 9/30に書類棚を30,000円で購入した。

▼現金出納帳

日付 摘要 入金 出金 残高
繰越金額 100,000
9/1 パソコン1台 90,000 10,000
9/20 現金引き出し 100,000 110,000
9/30 書類棚 30,000 80,000

日付、摘要、入金or出金、残高を記入します。

それぞれの項目の説明は以下の通りです。

日付 取引した日付を記入します。
摘要 内容が分かるように詳細を記入します。
入金・出金 現金が増えたら入金、減ったら出金に記入します。
残高 前回の残高+入金or-出金を記入します。

簡易簿記では勘定科目を書く必要もなく、複式簿記のように手段も書かなくてよいので、初めての方でも分かりやすいことでしょう。

上の内容なら、初めて帳簿を見るという人でも何でいくら入出金があって、残高はいくらかということが分かると思います。お小遣い帳や家計簿のような感覚ですね。

簡易簿記での実際の帳簿の作り方

簡易簿記の書き方は、意外と簡単そうに感じたのではいでしょうか。

では最後に、しっかり確定申告できるように、簡易簿記での実際の帳簿の作成方法を3つご紹介します。

会計ソフトで作成する|事業者向け

今や簡易簿記でも一般的になっている帳簿の作り方は、会計ソフトによるものです。

簡易簿記でも基本的には複数の帳簿を作る必要があるのですが、会計ソフトを使えば取引記録を入力するだけで勝手に複数の帳簿を作ってくれます。

また、銀行口座やカード明細の自動連携によって自分で入力せずに自動仕訳も可能なので、入力の手間も省けて時間短縮にもなります。

難しい簿記知識もそこまで必要なく、感覚的に操作していけるようになると思います。難しそうだったら、メールやチャットでの無料サポートが付いている会計ソフトもあります。

さらに、取引記録を入力するだけで、複式簿記で必要だけど作成に手間がかかる仕訳帳と総勘定元帳まで自動作成してくれます。会計ソフトの利用を機により多くの控除額が貰える複式簿記に挑戦してみても良いかもしれませんね。

無料で試せる会計ソフト

クラウド会計ソフトについては他の記事でも詳しく説明していますので、そちらも参考にしてみてください。

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エクセルで作成する|簿記勉強中の方向け

次は、エクセルに記録する方法です。

ノートの手書きに比べたらとてもラクになるかと思います。エクセルが得意な方はもちろん、苦手な方でも無料のエクセルテンプレートを使って作成することも可能です。

自分で表を作って帳簿作成するので、会計ソフトのように自動作成に比べると身に付くことでしょう。

簿記の勉強のために簡易簿記を作ろうと思っている方はエクセルや下の手書きノートでも良いでしょう。

手書きのノートで作成する|簿記勉強中の方向け

自分の手で書くことで確実に帳簿をつけているという感覚は得られますが、すべて手書きというのは少々大変かと思います。

仮に現金主義で現金出納帳の1冊だけだったらまだいいかもしれませんが、簡単につけられる簡易簿記とは言っても、さすがに複数の帳簿5冊となると業務どころではなくなってしまいそうですね。

事業で帳簿作成をする方は積極的に会計ソフトを使い、なるべく時間をかけずに終わらせて売上やサービス向上につながることに専念しましょう。

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まとめ

以上、簡易簿記とは?確定申告の簡易簿記を比較!帳簿の書き方や作り方でした。

簡単にまとめると

  • 簡易簿記は発生主義と現金主義がある
  • 現金式簡易簿記にすると今は良くても後々面倒になる
  • 簡易簿記にするなら白色申告より青色申告の方が節税になる
  • 簡易簿記での帳簿の書き方は意外と簡単
  • 会計ソフトなら簿記初心者でも安心して帳簿作成できる

複式簿記に比べたら簡単な簡易簿記ですが、初めて確定申告する方や簿記初心者の方にとっては不安も多いと思います。

無料でスタートできる会計ソフトもありますので、是非この機会に試してみてはいかがでしょうか。

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