荷造運賃(にづくりうんちんひ)とは、販売している商品を荷造りのために要した段ボールやガムテープなどの梱包材の費用と、郵便手数料や送料など荷物を送るにあたってかかった運賃に対する勘定科目です。
今や配送サービスはかなり充実していますし、インターネットだけで商品の販売も簡単にできてしまいますので、荷造運賃を多く使う業種の個人事業主の方も増えてきていると思います。
今回は、どのような費用が荷造運賃にできるのか?また、荷造運賃を使った時の帳簿の付け方はどうすればいいのか?などをご説明していきたいと思います。
この記事で分かること |
❶ 荷造運賃として経費にできる費用 ❷ 荷造運賃と通信費の使い分け ❸ 荷造運賃を使った時の帳簿の付け方 |
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荷造運賃とは?荷造運賃になる支払いの種類
冒頭でもお伝えしたように、荷造運賃とは、販売する商品の荷造りと運賃(送料)にかかった費用の勘定科目のことです。
それではまず、どのような支払いが荷造運賃になってくるのか、荷造りと運賃に分けてご紹介します。
荷造りに該当する費用の例
荷造りとは、商品を送る時の梱包にかかった費用を言います。
- 段ボール
- 梱包用の袋
- 発泡スチロール
- エアクッション
- ガムテープ
- 荷造り用のひも
などが荷造り準備にかかった費用として荷造運賃にできます。
運賃に該当する費用の例
運賃は、配達業者などの依頼した時にかかった手数料のことです。
- 宅配便の送料
- 郵便手数料
- バイク便、船舶便、航空便などの運賃
などが運賃として荷造運賃になります。
荷造運賃は商品を送る時のみ|購入時の勘定科目
勘違いしないように気を付けてほしいことが、荷造運賃はあくまでも売上に関わる商品を送った時にかかった費用に限られます。
材料を仕入れたり、経費を使って配達してもらった時の送料は荷造運賃にはなりません。
では、物を購入した時にかかった送料の勘定科目はどうすればいいかと言うと、そのまま購入した品物と同じ勘定科目を使うようにします。
例えば、1万円の仕入れをして500円の送料がかかったとすれば、以下のように帳簿に付けます。
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
仕入 | 10,000 | 預金 | 10,000 |
仕入 | 500 | 預金 | 500 |
このように、購入した物と同じ勘定科目で処理します。ただ、列を分けずに一緒にしても問題ありません。
後で見返した時に「この500円はなんだ?」となることもあるでしょうから、摘要などで詳細を残しておくと良いでしょう。
経費で消耗品を購入したときなども同じよう消耗品費で処理します。
荷造運賃と通信費の違い
荷造運賃と少し似たものに通信費があります。
通信費と言えば、インターネット料金や電話料金が代表的ではありますが、切手やはがき大代、郵送料金などの郵便に関わる費用を通信費にすることもあります。荷造運賃の運賃に似ているところがありますね。
結論から言うと、荷造運賃と通信費の勘定科目が少し間違えていたくらいで問題になることはまず無いでしょう。それでも正しくきちんと仕訳をしたいという方は以下のようにして判断していただければと思います。
2つの違いを判断する方法
直接売り上げた商品かどうか?
すでにお伝えしていますが、荷造運賃は売り上げた商品を送る時に必要になる費用のことを言います。
直接売上に関係ある商品か否かで判断しても良いでしょう。
例えば、化粧品販売の事業なら、売り上げた商品を送る場合は「荷造運賃」、カタログやサンプルなど売上が発生していない物を送る場合は「通信費」と使い分けられますね。
送る物のサイズや種類
送る物のサイズや種類で荷造運賃か通信費に分けることもできます。
商品やサンプルなどの物を送る場合は荷造運賃、カタログや請求書などの書類を送る場合は通信費といった分け方です。
勘定科目を統一させることが大事
ここまで荷造運賃と通信費の分け方についてご説明しましたが、分け方に厳格な決まりはありません。
大事なことは、送ったサンプルにかかった費用を1度荷造運賃にしたなら、以降も同じく荷造運賃で処理し続けるように、統一していくことです。
同じ用途に使った経費を荷造運賃にしたり通信費にしたり、勘定科目がコロコロ変わってしまうと、後から振り返る時に管理しにくくなってしまいます。
1度決めた勘定科目はその後もなるべく同じ勘定科目で処理するようにしましょう。
荷造運賃が発生した時の仕訳のやり方
最後に、荷造運賃が発生した時の帳簿の付け方をお伝えします。
ズバリ言うと、荷造運賃の帳簿の付け方は特に難しいものはなく、仕訳の基礎さえ分かっていれば特に問題なく記帳できると思います。
もし、仕訳や帳簿付けについて自信がないという方は、以下の記事が参考になると思います。
【関連記事】
「仕訳帳作成のための仕訳の基礎」
梱包用に段ボールを購入して後日配送した場合
例として
とします。
日付 | 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 |
12/10 | 荷造運賃 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
12/11 | 荷造運賃 | 500 | 現金 | 500 |
この場合、段ボール代も配達料も荷造運賃にできますので、上のように帳簿を付けることができますね。
これだけでも十分ですが、同じ荷造運賃で詳細が分からないので、摘要で「段ボール購入」「配達料」などと詳細を残しておくとさらに良いでしょう
まとめ
今回は荷造運賃についてご説明しました。
売り上げた商品を送る時にかかった費用は基本的に荷造運賃にします。一方で、仕入れや経費を使って何かを購入した時に送料などがかかった場合は、購入した物と同じ勘定科目を使います。
また、荷造運賃と通信費は似ている支払いの種類もありますが、2つを分ける厳密なルールはありません。1度使った勘定科目は、なるべく同じ勘定科目で整理して、後から管理がしやすいようにしておきましょう。
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