「脱サラして店を出したい」
「飲食店を出店してさらに儲けたい」
様々な目的があると思いますが、飲食業界未経験での飲食店開業はできるのでしょうか?
答えはYESです。不可能ではありません。
しかし、著者も長年飲食業界に関わってきてみて(まだまだ半人前ですが)、やっぱりどのような方でも絶対に一度は飲食業界を現場レベルで経験しておくべきだと思います。
今回は、将来飲食店を開業したい人が今のうちから経験しておくべきことと、あなたの経験値をグッと上げてくれる会社選びのコツをお伝えしていきたいと思います。
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タイプ別|飲食で独立を目指して入社すべき会社の選び方
飲食に限りませんが、独立を目指している人は大きく分けると2種類のタイプに分けることができるのではないでしょうか?
- 商売人タイプ:儲けたい・楽しいことをしたい・流行に敏感
- 職人タイプ:もっと良いものを提供したい・自分の好きなことを極めたい
どちらのタイプが良い悪いということはありませんが、必ずあなたもどちらかのタイプに近いと思います。それぞれのタイプに応じて今後以下でお伝えするようなことで経験値を高めていっていただければと思います。
商売人タイプ
飲食店開業を商売としてきっちりとらえて、きちんと利益を出していきたいと考えている方は、オープンさせたい店舗や業態となるべく状況が「近い」お店で働くのがベストだと思います。
その業態の原価率、人件費という飲食で大切な「変動費」を把握し管理できるようになれると強いと思います。
50席未満の小箱で焼き鳥屋を開業したいのに、200席の大箱で洋食の経験しても無駄とは言いませんが圧倒的に数字管理やオペレーションが違いすぎるので経験値に差が出ます。
そして独立が目標であれば、社長やオーナーと「近い距離」のお店の方がキャッシュの回し方やより経営目線に近い運営もやらせてもらえる可能性が高いと思います。
以上の理由より、大企業や多店舗展開をしている会社よりも
「社長やオーナーと距離が近く、自分の目指しているイメージの近いお店」
がベストだと思います。
職人タイプ
飲食店を開業するにあたって、自分のスキルやこだわりをとことん貫きたいという方は、以下のような会社・お店で経験を積んでいきましょう。
学びたい料理の種類の業態をやっているお店
和食、洋食など大枠から細かく細分化していきましょう。業態が違えば全く違う経験値になります。
教育制度やシステムが整っている会社
会社として教育制度がきちんと整っているところを探すのは難しいですが、ここを失敗すると成長が変わってきます。あとは先輩や仲間などの人柄にもよりますが、誰とやるかは成長の具合が変わってきます。
サービス特化の飲食会社
特に多店舗展開している飲食店はオペレーションが整っているところが多いです。その中でも塚田農場(APカンパニー)やグローバルダイニングなど大手でありながらサービスやQSC(品質・サービス・清潔さ)に非常に力を入れている会社もあります。
サービス、QSCが売上に直結するのか?と思われる方もいるかもしれませんが、確実にします。覚えて無駄になることは絶対にないと言い切れますので、近くにサービスの良いお店があればぜひ足を運んでみてください。
独立までに身に付けておくべきこと
このように、あなたのタイプに応じて経験値を高めていっていただきたいのですが、さらに経験値を高めるために以下の2点を意識してみてください。
苦手な部分のレベルも上げていくこと
オーナーとして飲食店の開業を目指すのであれば、『料理・サービススキル』『経営スキル』どちらも追及していかなくてなりません。
まず初めに料理・サービスを極めるか、それとも経営を極めるかは人それぞれですが、どちらもできるようになってやって飲食店として安定的な利益を出すことができ始めるのではないでしょうか。
例えば、とても美味しい料理を作れていても、原価ギリギリで毎月たったわずかしか利益が出せないようであれば、いつまでたっても苦労が多いかと思います。反対に自分だけ儲かればいいと料理やサービスをないがしろにしていれば、最初は売上も出せるかもしれませんが、きっと長続きしないはずです。
どういうルートを辿るかはあなた次第ですが、飲食店を開業するからには、料理やサービスに自信を持てて、経営についても問題のない『GOAL』の部分を目指しましょう。
独立までは『守破離』の順番を守る
独立願望がある方は、最初からオリジナリティを貫こうとしてしまいます。でも、そういう人に限って途中で挫折してしまいがちです。
『守破離(しゅはり)』という言葉をご存知でしょうか。日本武道における師弟関係のあり方を表した言葉の一つですが、漢字の通り
- 守って
- 破って
- 離れる
ということです。
- まずは、すでに飲食店経営を成功させている人の下で働いて、その人のやり方、考え方を徹底的に守って身に付けていって下さい(守る)。
- そして、身に付いてきた頃にあなたのオリジナリティを出していきます(破る)。
- 最後には、師匠の下から離れて独立します(離れる)。
人によってかかる期間は全く違いますが、この順番を基に独立までにステップアップしていただければ、徐々に徐々に独立まで近づいていけると思います。
まとめ
他にも独立支援をしている会社も多くありますので実際に足を運びスタッフさんと話して知識や経験を吸収していきましょう(これくらいのコミュニケーション能力がないと独立開業なんて無理です)。
インターネットが便利な時代なので、下調べや評判、口コミなども参考にしてしっかりと「自身の目標に対して意味のある経験」を獲得しましょう。
開業までに何年経験を積むかと言うことは、あなた次第ですが、実際にお店の営業もそうです。準備に準備を重ねて無駄はありません。自分に自信が出るまでやりましょう。
著者が独立開業するまで
- 26歳で飲食会社に入社
- ホール、キッチン、集客(広告や広報)のポジションをトータル2年経験
- 28歳でその会社(グループ会社の子会社で12店舗運営)の代表を継ぐ
- その後2年の経営、新規出店の経験
- 30歳で独立開業
皿洗いから経営、新規出店から既存店撤退まで全て「経験」しました。自分で全て把握し、経験し、鮮明な「起業」イメージがあったので必要なことを覚えるためでした。
開業目的の方全員がここまで経験する必要はないと思いますが、あなたの強みや自信になる会社・お店で経験を重ねていって下さい。
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