開業時や起業時には何かとお金がかかるものですよね。
資金調達に苦労されている方も大勢います。そこで今回ご紹介するのが【助成金・補助金の制度】です。
これはよく耳にする銀行の融資制度とは違います。今回はそんな知って得するオススメの助成金・補助金を詳しくご紹介していきます。
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知らなきゃ損!?助成金・補助金のおいしい話
助成金・補助金と聞いて知らない方も大勢います。たしかに広告や宣伝もあまりされないし、そもそもどこに行けばもらえるの?融資との違いって?いくら貰えるの?条件とかあるの?と疑問も多いです。
でも実は、このまま知らないままにしておくのはとても勿体無い、大変おいしい話なのです。
助成金や補助金は国からもらえるお金?
そもそも助成金・補助金とは何か、それは社会に公益がある企業に対して、国や地方自治体等から得られる給付金の事です。最大のメリットは原則返金不要というところ。返金不要の資金を開業時、起業時の事業に使用できると考えたらこれは知らないと損なのです。
融資と助成金・補助金の違いについて
開業資金調達の際、一度は誰しも耳にするのが融資です。その融資と助成金・補助金の違いはどこか?
- 融資はあくまで銀行などからの借り入れです。つまり銀行に返済をしないといけません。
- 助成金・補助金は給付金なので原則的に、返済をしなくていいのです。
どちらがいいか一目瞭然、それは助成金・補助金ですよね?
しかし、大きな違いはもう一つあります。
助成金・補助金は開業時や事業にかかった費用に対して支払われるお金、つまり後払いなのです。それでは開業時、起業時に迅速に不足資金を集めるのに間に合いません。開業前の資金調達には不向きなのです。
【関連記事】
「開業時の資金調達方法6種類とメリット・デメリット」
そもそも助成金と補助金のなにが違うの?
助成金も補助金も、後払いの返済不要の給付金なのは一緒なのですが、大きな違いがあります。
助成金 | 補助金 | |
支給元 | 国(厚生労働省)及び地方自治体 | 国(経済産業省)及び地方自治体 |
目的 | 労働環境改善、雇用等 | 経済活性化等 |
受給条件 | 要件を満たせば高確率で受けられる | 要件を満たしても限りがあるので審査で落ちる場合がある |
申請期間 | 随時、または長期間 | 数週間~1か月など短い |
助成金は、雇用や社員教育、労働環境の改善等の目的があり、その目的を達成することで得られるお金です。要件を満たせば受給される可能性は高く、また公募期間も随時や長期間のものが多いです。
補助金は、起業・開業時や事業活性化にかかるコストを補うためのお金です。申請すれば誰でも貰えるものではなく、限りがあるので審査があります。経済や地域の活性化を期待できる、成長の見込みがあるとアピールをしっかりできないと受給されない事もあり、公募期間が短いものばかりです。ただし支給額が大きいのが魅力です。
助成金の種類と条件
こちらでは助成金についてご紹介します。助成金は主に従業員を雇った場合のものが多いので、従業員を雇う余力がない開業時には不向きかもしれませんが、覚えておいて損はないでしょう。
キャリアアップ助成金
非正規雇用労働者(契約社員,派遣社員,パート等)の企業内でのキャリアアップを促進するための助成金です。全8コースあります。
「正社員化コース」
非正規雇用から正規雇用への転換を行うことで助成されます。
▼支給額
有期契約→正規雇用 | 無期雇用→正規雇用 | |
支給額 | 57万円〈72万円〉 | 28万5千円〈36万円〉 |
〈〉内の金額は生産性が3年前に比べ6%以上上がった場合です。
※生産性の計算方法はこちら
生産性=(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)÷雇用保険被保険者数
▼申請場所
各都道府県労働局
▼条件
- キャリアアップ管理者の選出
- キャリアアップ計画の作成
- 社会保険の加入
- 労働保険料を滞納していないこと
- 転換の際試験を行い、雇用契約書の交付
- 申請前に解雇しない事
- 正規雇用後6ヶ月分の賃金を支給
▼申請のタイミング
支給した日の翌日から起算して2ヶ月以内に労働局に「支給申請」をする。
他にも以下のコースもありますので、それぞれにあった申請をするといいでしょう。
その他キャリアアップ助成金の種類
- 「人材育成コース」
- 「賃金規定等改定コース」
- 「健康診断制度コース」
- 「賃金規定等共通化コース」
- 「諸手当制度共通化コース」
- 「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」
- 「短時間労働者労働時間延長コース」
参考:「キャリアアップ助成金|厚生労働省」
特定求職者雇用開発助成金
高齢者や障碍者等の就職困難者を雇用する事業主の為の助成金です。
特定就職困難者コース
▼支給額
高齢者(60歳以上65歳未満)母子家庭の母 | 身体・知的障がい者 | 重度障がい者 | |
支給額 | 50万円(60万円) | 50万円(120万円) | 100万円(240万円) |
助成対象期間 | 1年 | 1年(2年) | 1年6ヶ月(3年) |
短時間労働の場合「週/20時間以上30時間未満勤務」
高齢者(60歳以上65歳未満)母子家庭の母 | 障がい者 | |
支給額 | 30万円(40万円) | 30万円(80万円) |
()は中小企業に対しての支給額と助成対象期間です。
※中小企業の基準は飲食店の場合で、資本金若しくは出資の総額が5千万円以下または常時雇用する労働者数50人以下になります。
▼申請場所
各都道府県労働局、公共職業安定所(ハローワーク)
▼条件
- ハローワーク等から紹介で雇い入れる事
- 継続して雇用すること(対象期間内に退社したら助成金はもらえません)
- 雇用保険の適応事業主であること
▼申請のタイミング
支給対象期間ごとに、それぞれの支給対象期の末日の翌日から起算して2か月以内労働局に「支給申請」をします。
支給申請期間の末日が申請期限となりますので過ぎないように注意が必要です。
参考:「特定求職者雇用開発助成金|厚生労働省」
トライアル雇用助成金
トライアルとはお試しという意味で、職業経験や、知識・技術が不十分で安定した就業が難しい求職者を雇用する事業主の為の助成金です。
一般トライアルコース
▼支給額
支給対象者の雇用期間中にある月において、就労を予定の日数に対する実際に働いた日数の割合で支給額が決まります。
※計算方法
A=支給対象者が1か月間に実際に就労した日数÷支給対象者が当該1か月間に就労を予定していた日数
Aの割合 | 月額 | 月額※ |
A≧75% | 4万円 | 5万円 |
75%>A≧50% | 3万円 | 3.75万円 |
50%>A≧25% | 2万円 | 2.5万円 |
25%>A>0% | 1万円 | 1.25万円 |
A=0% | 0円 | 0円 |
※母子家庭の母、又は父子家庭の父の場合
トライアル雇用の対象となる方の雇用を開始した日から1ヶ月ごとに最長で3か月分の奨励金を受給することができます
▼支給対象者
- 就労の経験のない職業に就くことを希望する者
- 学校を卒業した3年以内で、卒業後安定した職業に就いていない者
- 2年以内に、2回以上離職又は転職を繰り返している者
- 離職期間が1年を超えている者
- 妊娠、出産又は育児を理由として離職して安定した職業に1年以上就いてない者
- 生活保護受給者、母子家庭の母、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者のいずれか
▼申請場所
各都道府県労働局、公共職業安定所(ハローワーク)
▼条件
- ハローワーク等から紹介で雇い入れる事
- 事前に管轄のハローワークなどに「トライアル雇用求人」の提出
- 3か月間のトライアル雇用
- 1か月の労働時間が社内の他の労働時間と同じ程度
▼申請のタイミング
雇用が修了した翌日から2か月以内に、労働局に「支給申請」します。
助成金が認められると、3か月間の月額をまとめて1回で支給されます。
参考:「トライアル雇用助成金|厚生労働省」
助成金の注意事項
要件満たしていれば高確率で貰える助成金ですが、最近では申請数がかなり多く助成金もかなり豊富にあるので、ある程度絞っていかないといけません。
さらに申請が期日を過ぎてしまうと受けられないので、タイミングがとても重要です。
面倒な手続きと書類が必要なため、専門知識を持ったプロに任せるのが安心です
開業時は補助金が使える!
助成金は従業員を雇った場合のものばかりなので、開業の時には難しいものも多いです。そこで、開業時には補助金を利用してみることをおすすめします。
こちらでは開業・起業時にピッタリの補助金をご紹介します。
創業補助金
新たな需要や雇用の創出等を促し、経済を活性化させることを目的に新たに創業した人に対して必要経費の一部を補助してくれる制度です。
支給額
- 補助率は対象経費の2/3
- 補助金額は100万円~最大200万円
申請場所
創業・事業承継補助金事務局への応募書類を郵便や宅配便で送付、又は電子申請
条件
- 募集開始日以降に創業する者
- 事業実施完了日までに、個人開業又は会社等の設立を行い、その代表となる者
- 事業実施完了日までに、計画した補助事業の遂行のために新たに従業員を1名以上雇い入れること
~審査に受かりやすくする為には!~
必ず貰えるわけではない補助金は、倍率も高く審査に落ちる可能性もあります。そこで審査に受かりやすくするためのポイントをご説明します。
創業補助金の募集事項にも載っていますが、
独創的な新たな価値を生み出す商品、サービスであること
2. 事業の実現可能性
コンセプト及プロセスがより明確で人員の確保に目途が立っていること
ターゲットが明確で、事業全体の収益性の見通しに信頼性があること
4. 事業の継続性
実施スケジュールが明確になっていること。また、売上・利益計画が妥当性・信頼性があること。
5. 外部資金調達
金融機関調達から資金調達が見込めること。
以上の項目を考えると、やはり事業内容に具体性、一貫性が必ず必要なことです。
銀行融資と同じく、実現の可能性は重点的にみられると思いますので、『絵に描いた餅』にならないようにしないといけません。
申請のタイミング
公募期間は春先辺りから1ヶ月ぐらいになります。
平成30年度の募集はまだ発表されていませんが、期間は短いので常にチェックをして見逃さないようにください
詳しくは、経済産業省または中小企業庁のホームページをご確認ください
参考:「創業・事業承継補助金の公募|中小企業庁」←こちらは平成29年度のもの
他にも…
今までご紹介した助成金・補助金以外にも、各自治体などのもたくさんあります。一度、自身が開業・起業するエリアの情報も目を通してみるのもアリですね。
まとめ
返済不要とかなり魅力的な助成金・補助金。融資と違い後払いなので開業資金としては使えませんが、運転資金に回したり経費が戻ってくると思うと必ず押さえておきたいものです。
ただし、種類も条件も豊富な制度で、複数受けられない場合もあります。申請作業も書類の準備もかなり苦労するので専門知識を持った専門家、社労士などに相談してみることをオススメします。
知らないと損なこの制度をうまく利用してみてはいかがですか?
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税理士は記帳や確定申告などの実務を代行してくれるだけでなく、税理士ならではの観点で経営のアドバイスをもらえたりもしますので、一度相談してみることをおすすめします。税理士ドットコムでは、費用やお悩み内容に応じた適切な税理士を紹介してくれます。無料で利用できますので試しに使ってみてはいかがでしょうか?
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