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延滞税の税率や計算方法を例付きで解説|延滞税がかからないケースも!

延滞税とは、税金の決められた納付期限までに納付できなかった場合に追加で発生する追徴課税の1つで、『期限を超えて納める税金(本税)×延滞税率×日数÷365』で計算します。

延滞税の金額そのものはそこまで大きくなるものではありませんが、それでも余計に発生するお金ですので、納税期限を超えたらなるべく早くに対処したいですね。

今回は、延滞税の計算方法や延滞税が発生しない場合などについて解説をしていきたいと思います。

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延滞税の税率と計算方法

それでは早速、皆さんが気になるであろう延滞税の税率や計算方法から解説していきたいと思います。

延滞税の計算方法

まず、冒頭でも触れましたが、延滞税の計算方法は、

期限を超えて納める税金(本税)×延滞税率×日数÷365

となっています。これだけでもちょっと複雑ですね。

延滞税の税率

上の計算式で気になるところが延滞税の税率ですが、これはどれくらいの期間納付が遅れているかによって違いますし、さらにそこから2種類に分かれるという複雑で面倒な形になっています。

期間 税率
納付期限から2ヶ月まで 「7.3%」と「特例基準割合+1%」の低い方
納付期限から2ヶ月を超えた 「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」の低い方

2ヶ月を超えると一気に税率が上がる

まず言えることが、2ヶ月を超えると税率が一気に倍になってくることです。延滞していることが分かっているのでしたらなるべく早くに対処したいですね。

基本的には「特例基準割合+〇%」で計算

もう一点が、「7.3%」「14.6%」とありますが、こちらが適用されることは近年では全く無く「特例基準割合+〇%」で計算されているということです。

特例基準割合とは、国内銀行の貸出平均金利に1%を足した数字で、毎年変わりますが、近年では1%少々。ですので、これが「7.3%」「14.6%」を超えることはここ数年の傾向では無いだろうと考えられます。

平成30年分の延滞税税率

ちなみに平成30年分の特例基準割合は1.6%で、これに1%と7.3%を足すと、

期間 税率
納付期限から2ヶ月まで 2.6%
納付期限から2ヶ月を超えた 8.9%

となります。

延滞税の税率は、国税庁の方でも出されていますので、30年分以外の延滞税の税率は以下のリンクを参考にしてみてください。

参考:「延滞税の割合|国税庁

延滞税の計算例

上の説明だけでは、どれくらいの延滞税が発生するのかいまいちピンと来ないでしょうから、こちらでは延滞税の計算例を2つご紹介したいと思います。

ちなみにどちらも延滞税の税率は平成30年分の「2.6%」と「8.9%」で行いたいと思います。

50万円の税金を30日間延滞した場合

50万円の税金を30日間延滞していたと思います。上の計算式に当てはめると、

50万円×0.026×30日÷365=1068.49…

計算式に小数点以下や奇数が登場してくるので、割り切れない数字になることがほとんどなのですが、延滞税は100円未満の金額を切り捨てて良いことになっています。

つまり、この場合1,000円が延滞税になります。

50万円の税金を200日延滞した場合

上の例では、2ヶ月以内に収まりましたので計算もしやすかったのですが、2ヶ月を超えると税率が2パターンになるので少し面倒になります。

2ヶ月まで:50万円×0.026×61日÷365=2172.60…
2ヶ月を超:50万円×0.089×139日÷365=16,946.57…

それぞれ1円未満を切り捨てて合計すると、

2,172+16,946=19,118

こちらも100円未満は切り捨てられますので、19,100円が延滞税の合計ということになりました。

延滞税の金額をシミュレーション

ここまで計算式に税率や金額、期間を当てはめて計算してみましたが、正直なところ面倒ですよね…。

国税庁のサイトでは、おおよその延滞税の金額が分かるシミュレーションのページが用意されています。だいたいどれくらいの延滞税が発生しているのかを知りたい場合なら、シミュレーションで簡単に済ませてしまって良いかと思います。

参考:「延滞税の計算方法|国税庁

わざわざ自分で延滞税を計算する機会も少ない

そして、延滞分納税する時が来たら、直接税務署の方に確認をした方が一番簡単で正確でしょう。すでに延滞が始まっていて、納税するようにお願いされている方は、延滞税込みの納付書が送られてくるかと思いますので、そちらに従って納めればいいだけです。

延滞税が発生しない期間や条件もある

ここまで延滞税の計算方法をご説明してきましたが、延滞税には期間や金額で発生しない場合も多々あります。

こちらでは、延滞税が発生してこないケースについて解説をしたいと思います。

納める税金が1万円未満なら延滞税も発生しない

まず、国税庁の「延滞税の計算方法」の計算式の図にも書かれていますが、納付すべき本税の金額が10,000円未満であれば切り捨てとあります。

つまり、延滞している税金が10,000円未満であれば、そもそも延滞税は発生しないということですね。

延滞税が1,000円未満なら切り捨て

上とも重複しますが、さらに計算した結果の延滞税の金額が1,000円未満であれば延滞税はかかりません。これは国税庁の「こちらのページ」に書かれていました。

上で例として挙げた50万円の税金を30日延滞してちょうど1,000円くらいの延滞税でしたので、本税の金額が低かったり、延滞期間が短い場合は延滞税もかからないケースも多いみたいですね。

延滞税以外の罰則的な追徴課税

ここまで延滞税の税率や計算方法を解説してきましたが、正しく申告・納税されていなかった時に罰則的な意味合いで追加で課される税金は他にもあります。

例えば、計算ミスで本来納めるべき税金よりも低く申告・納付していた場合、過少申告加算税になりますが、足りなかった分の税金も期限を過ぎて納付することになりますので、延滞税も併せて発生することもあります。

このように他の追徴課税と一緒に延滞税が発生しているケースもありますので、該当する方は延滞税の計算も忘れずに行いましょう。

無申告加算税

無申告加算税は、申告をしていなかった時に課せられる追徴課税です。税率は基本的に15~20%で、税率を本税にかけて金額を求めます。

申告をしていないということは、納付期限も過ぎていることが考えられますので、一緒に延滞税も生じているケースが多いです。

【関連記事】
無申告加算税の税率や計算例

過少申告加算税

過少申告加算税は、申告はしているものの計算間違いなどで正しい納税額が深刻されていなかった時に課せられる追徴課税です。

税率は5~15%で、本来納めるべき税金の残りの金額に税率をかけた金額が過少申告加算税の金額になります。

こちらも、残りの足りなかった分の税金が納付期限を超えていれば延滞税が発生することになります。

【関連記事】
過少申告加算税とは?税率や計算方法

重加算税

重加算税は、虚偽や不正など意図的に税金を下げようとしていた場合に課される追徴課税です。

税率は35~40%と一番重くなっています。こちらも本税に税率かけた金額が重加算税の金額です。

重加算税も同じですね。正しく申告されておらず、納付期限を超えていた税金に関しては、延滞税も発生していることになるでしょう。

【関連記事】
重加算税が課せられるような行為と税率・計算方法

不納付加算税

従業員を雇っている場合、源泉所得税を国に納めますが、こちらの納付期限が1日でも超えてしまうと不納付加算税が加わります。

不納付加算税の税率は、税務署からの指摘がある前に自主的に納付した場合で5%、指摘後は10%となります。こちらを源泉所得税の本税にかけます。

源泉所得税に対しても延滞税は発生しますので、納付するまでに期間が空いたり金額が多いようなら延滞税も大きくなってきますので注意しましょう。

延滞税を発生させないように知っておこう!代表的な税金の納税期限

延滞税は決まった納付期限を超えた場合に発生することはお分かり頂けましたね。

では、気になる税金の納付期限とはどのようになっているのでしょうか?

税金といっても様々な種類がありますので、こちらでは個人事業主が関わってくる税金の納付期限についてお伝えしたいと思います。

個人事業主の納税期限 単品

個人事業主が関わる所得税、消費税、住民税、事業税の納付期限は上のようになっています。

住民税と事業税に関しては、6月と8月ごろに納付書が届き、それに従って納付します。分割納付もできるのである程度対処はできるかと思いますが、一番気を付けるべきは所得税です。

所得税の納付期限は、3月15日(つまり確定申告の期限)と、一番期限が早く金額も一番高くなる傾向にあります。しかも、基本的には一括納付のみですので、ある程度事前に税金分のお金を準備しておく必要がありますね。

※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、『所得税』『消費税』の納付期限が4月16日(木)まで延長となりました。国税庁

どうしても納める税金が足りない場合の対応

どうしても納める税金が足りないという方は、税務署に猶予制度を受けられないかどうかを相談してみてください。

くれぐれも足りないからと言って、無視はしないように。お伝えのように、延滞税が余計にかかっていくだけです。

ましてや、足りないからと言って、税金を低く申告したり申告そのものを無視していれば、上でお伝えした他の追徴課税まで課せられてしまいます。

まとめ

今回は延滞税の税率や計算方法について解説させていただきました。

計算方法が少し複雑ですので、実際に延滞税を納付する時は税務署に確認を取ることが一番でしょう。

また、本税が10,000円未満や延滞税が1,000円未満の場合は延滞税がかからないことになります。

納付期限を超えた方でも、なるべく早くに対処することで延滞税もかからないかもしれません。余計な税金は納めたくないことは皆さん共通でしょうから、そのままやり過ごすのではなく、早め早めに対処していきましょう。

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