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追徴課税の種類と税率や計算方法|発生する条件を知って無駄な税金を抑えよう

追徴課税とは、期限内に確定申告をしていなかったり本来納める税金よりも少なく申告していたような場合に、元々納める税金に追加して課される税金のことで、正しく申告できていなかったことに対する罰則・罰金的な意味を持ちます。

ひとえに追徴課税といっても、

  • 無申告加算税
  • 過少申告加算税
  • 重加算税
  • 不納付加算税

といくつかの種類があり、申告状況により該当する追徴課税は違いますし、税率も違います。また、延滞税と言って、納税が遅れたことによる追加の税金も発生します。

どのようなケースでどれくらいの金額の追徴課税がかかるのか気になるところですね。今回は、追徴課税の種類と税率、計算方法などを解説していきたいと思います。

一番は追徴課税がかからないように正しく申告することですが、すでに追徴課税が発生しそうな状況の方は早めに対処することをおすすめします。

この記事で分かること
追徴課税の種類と税率
延滞税の税率や計算方法
追徴課税の以外の申告ミスのデメリット

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追徴課税の種類と税率

冒頭でもお伝えしたように、追徴課税とは、期限内に確定申告をしていなかったり税金を少なく申告した場合に、本来納めるべき税金に追加して課される税金のことです。

追徴課税には、以下4種類があり、正しく申告されていない内容によって該当する種類も変わりますし税率も違います。

追徴課税の種類 該当する内容 基本的な税率
無申告加算税 申告すべき人が申告していない 15~20%
過少申告加算税 正しい納税額より低く申告した 5~15%
重加算税 虚偽や不正を使って税金を少なく申告した 30~40%
不納付加算税 源泉所得税の納付が遅れた 5~10%

簡単にまとめると上のようになります。以下ではそれぞれの税率や計算方法を詳しくご説明しますので、該当する追徴課税の項目やリンク先を詳しく見ていただければと思います。

無申告加算税の税率と計算方法

無申告加算税とは、決められた申告期限までに所得と納税額を申告していなかった場合に課せられる追徴課税です。

ただ、申告期限を1日でも過ぎれば発生するわけでは無く、1ヵ月以内に自主的に申告すれば無申告加算税はかかりません。

また、1ヵ月を超えても、自主的に申告することで税率が下がることもあります。ですので、すでに申告期限を超えていて申告していなかった方でも、なるべく早くに申告するようにしましょう。

無申告加算税の税率や計算方法は以下の通りです。

無申告加算税の税率

税務調査後(本来納めるべき税金の50万円までの部分) 15%
税務調査後(本来納めるべき税金の50万円を超える部分) 20%
申告期限1ヵ月以内 なし
税務調査前の自主申告 5%

無申告加算税の税率をまとめると上のようになります。

勘違いしないように注意したいところが、この税率は課税所得にかけるのではなく、本来納めるべき税金(本税)にかけます。例えば、50万円の税金を申告していなければ、50万円に上の税率をかけます。これは他の追徴課税も同じですね。

そして、お伝えのように、無申告加算税では、期限後1ヵ月以内の自主申告で免除、税務調査前の自主申告で税率5%などの税率が下がる条件もあります。

無申告加算税の計算方法

言葉で説明しただけでは少し分かりにくいので、実際に例を出してみたいと思います。

本当は60万円の税金が発生していたのに、申告せずに無申告加算税も課さられたとしましょう。無申告だったことは税務調査で分かったとします。

本税の50万円までの部分が税率15%、50万円超の部分が税率20%となりますので、

50万円×0.15+10万円×0.2=9万5,000円

このように計算されます。

今回の例では、無申告加算税が追加で9万5,000円課せられることになります。

【関連記事】
無申告加算税の税率や計算方法と無申告加算税を回避する方法

過少申告加算税の税率と計算方法

過少申告加算税とは、計算ミスや相違などで本来納めるべき税金よりも少ない金額の税金を申告いた場合に課される追徴課税のことです。

仮に税務調査がされる前に間違いに気付いて修正申告をした場合、過少申告加算税もかかりません。申告した内容に自信が無い方は一度計算し直しても良いかもしれませんね。

過少申告加算税の税率や計算方法は以下の通りです。

過少申告加算税の税率

税務調査通知前 なし
税務調査通知後から更正の予知まで(本税の50万円まで) 5%
税務調査通知後から更正の予知まで(本税の50万円以上) 10%
更正の予知以降(本税の50万円まで) 10%
更正の予知以降(本税の50万円以上) 15%

過少申告加算税の税率は上のようになっています。

税務調査の通知が来る前に自分で気付いて修正申告をすれば、最初の申告で過少申告をしていても過少申告加算税は課せられません。

税務調査の通知がされた後に過少申告加算税が課されるようになってくるのです。過少申告加算税も、本税の額50万円を堺に税率が変わってきます。

過少申告加算税の計算方法

それでは例を出してみて実際の過少申告加算税の計算方法を説明してみましょう。

更正の予知があった後に100万円の過少申告があったとします。更正の予知より後であれば、税率は『本税の50万円まで10%』『本税の50万円以上15%』となります。

50万円×0.1+50万円×0.15=12万5,000円

今回の例では、12万5,000円が過少申告加算税として追加で徴収されることになりますね。

【関連記事】
過少申告加算税とは?税率や計算方法とその他追徴課税

重加算税の税率と計算方法

重加算税とは、所得を隠して申告したり、架空の領収書を作って経費の水増しをするなどして、虚偽や不正を使って納める税金を低く申告したり申告逃れをした時に課される追徴課税のことです。

故意にしかも悪質な方法で税金を下げようとしていることになりますので、追徴課税の中でも一番税率が高く、税率は最大で50%にまでなります。

重加算税の税率

虚偽や不正を使って過少申告 35%
虚偽や不正を使って無申告 40%

重加算税の税率は、無申告加算税や過少申告加算税のように本税の金額は関係なく、申告したかどうかで税率が変わります。

虚偽や不正を使って税金を少なく申告していれば35%、そもそも申告自体を逃れていれば40%の税率が課せられます。

さらに、以前に無申告加算税か重加算税が課せられていて、同じ税目で2度目以上の課税をされる時には、それぞれ10%多く重加算税が課せられることになります。

重加算税の計算方法

重加算税も例を出して計算をしてみましょう。

経費を水増しして100万円を過少申告していたとします。重加算税には本税の金額で税率が変わることが無いので計算もシンプルですね。

100万円×0.35=35万円

仮に不正に100万円低く申告していた場合、足りなかった分の税金100万円に加えて35万円も重加算税として納めなければならないことになります。

このように重加算税は税率も非常に高い追徴課税です。くれぐれも節税から逸脱して不正に税金を低く申告しないようにしておきましょう。どのようなケースで重加算税になってくるかは、以下の記事を参考にしてみてください。

【関連記事】
重加算税が課せられるような行為と税率・計算方法

不納付加算税の税率と計算方法

個人事業主の方であっても、従業員を雇って源泉所得税を国に納めているかと思いますが、源泉所得税の納税が1日でも遅れてしまうと不納付加算税という追徴課税が発生します。

税率は、税務署から指摘を受ける前の自主的な納付で5%、指摘後は10%になります。

また、無申告加算税のように期限から1ヵ月以内は追徴課税が発生しないといったことも無く、1日でも遅れると発生するので注意が必要です。

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追徴課税に加算される延滞税の計算方法

ここまで追徴課税4種類についてご説明してきましたが、もう1つ追加で発生する税金を覚えておかなくてはなりません。

延滞税です。

延滞税とは、納税期限から遅れて税金を納めるときに発生する場合に課せられる税金です。

仮に少なく申告していれば、足りなかった分の税金の納税が遅れたということになりますね。申告すらしていなければ、言わずもがな納税期限も遅れたということになるでしょう。

ですので、追徴課税と延滞税は併せて課せられることが多いのです。

金額が少なかったり延滞期間が短ければ延滞税がかからない場合もあります。詳しくは以下の記事をご覧いただければと思いますが、こちらのページでも簡単な計算方法をお伝えしたいと思います。

【関連記事】
延滞税の税率や計算方法を例付きで解説

延滞税の計算方法

延滞税の計算式は少し複雑で、

期限を超えて納める税金(本税)×延滞税率×日数÷365

で計算します。

そして、この延滞税率は延滞している期間でそれぞれ変わります。

納付期限から2ヶ月まで 2.6%
納付期限から2ヶ月を超えた 8.9%

さらにこの税率はその年の経済状況によって変わって変動しますので、上の税率は平成30年分となっています。

50万円を200日延滞した場合の例

言葉だけでは少し分かりにくいので例を挙げてみましょう。

50万円の税金を200日延滞したとします。その場合、上の式に当てはめると

2ヶ月まで:50万円×0.026×61日÷365=2172.60…
2ヶ月を超:50万円×0.089×139日÷365=16,946.57…

となり、それぞれ1円未満を切り捨てて合計します。

2,172+16,946=19,118

最終的な延滞税は100円未満を切り捨てて良いことになっていますので、50万円の税金を200日延滞すると19,100円が延滞税になるということになります。

延滞税は他の追徴課税と一緒に課せられる

すでにお伝えしていますが、延滞税は他の追徴課税がある場合にも一緒に課せられることになります。

ただ、ここで気を付けて欲しいことは追徴課税も延滞税も、それぞれ本税に税率をかけて計算しますので、追徴課税や延滞税で増えた金額は計算に加えないということです。

例えば、50万円を少なく申告していて100日延滞していた場合、まず過少申告加算税の税率を50万円にかけて、そして延滞税の計算も50万円に対して行います。

間違って、本税+過少申告加算税に対して延滞税の計算をしてしまわないようにしましょう。

正しく申告しないことによる追徴課税以外のデメリット

ここまで追徴課税についてご説明してきました。申告をしていなかったり少なく申告していたことで、余計な税金が追加になることはお分かりいただけたことでしょう。

しかし、申告しなかったり正しく申告できていなかったことによるデメリットは追徴課税だけではありません。

追徴課税は経費にはできない

今回は追徴課税に課せられてしまったことはしょうがないとして、追加で納めた税金はしっかり経費にしておこうと考えている方がいるかもしれません。

しかし、残念ながら追徴課税などの罰則的な意味合いを持つ支払いを経費にすることはできません。

青色申告の承認が取り消されることも

節税効果が高いということで、青色申告の承認申請書を提出している方も多いことでしょう。

しかし、無申告が2年以上続くなどして、正しく申告できないようであれば、青色申告の承認が取り消され、白色申告で確定申告をせざるを得ない事態にもなりかねません。

メリットがあると思って青色申告にしたのでしょうから、こうなることのデメリットはお分かりいただけるかと思います。

2回目以降の課税では税金が上がったり税務調査されやすくなることも

重加算税の項目でお伝えしましたが、正しく申告されていないことが2回目以上あれば追徴課税の税率が上がることがあります。

また、重加算税などの悪質な内容であれば、税務調査がされやすくなってしまいます。目を付けられるということですね。

まとめ

追徴課税には、

  • 無申告加算税
  • 過少申告加算
  • 重加算税
  • 不納付加算税

があり、それぞれ税率が違います。

本来納めるべき税金に追加されて課される追徴課税は、本当に余計な支払いとなってしまいますので、一番は追徴課税が発生しないように早くからきちんと準備して正しく確定申告をすることです。

どうしてもご自身だけでは正しく申告する自信が無いという方は、会計ソフトなどの便利なツールを使ったり税理士にお願いするなどして、負担を軽減して本業に支障が無いようにしましょう。

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