開業届の提出期限は開業日から1ヶ月以内となっていますが、開業当時は多くの準備に追われて、開業届を出し忘れていたという方もいることでしょう。
要点をまとめると、開業届を出し忘れて期限を過ぎてしまっても特に罰則があるわけではありません。ただし、開業届を出し忘れても確定申告はする必要になりますし、開業届を出し忘れたことにより最初の確定申告を青色申告でできないデメリットも生じます。
また、屋号での銀行口座が作れないなどの、実務上の問題が起きることもあるため、出し忘れていても気付いた時点で早めに提出することをおすすめします。
今回は、開業届を出し忘れてしまった方に、開業届の提出期限に遅れた場合の影響や、期限を過ぎて提出する際の注意点などをご説明します。
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開業届を出し忘れたことによる影響
冒頭で開業届を出し忘れても罰則はないとお伝えしましたが、期限を過ぎたり未提出になっていたりすることで事業主本人に影響が出てきます。まずは、開業届を出し忘れてしまう影響をお伝えします。
出し忘れによる罰則はない
開業届の提出期限は、所得税法第229条によって『開業した日から1ヶ月以内』と決められています。しかし、この所得税法第229条を守らなかったとしても何らかの罰則が設けられているわけではありません。
繰り返しになりますが、開業届を出し忘れても罰金等の罰則を受けることはありませんのでご安心ください。
ただし、主に以下の2つの影響が大きく出てくるでしょうから、開業届をまだ出していないという方は早めに作成して提出するようにしましょう。
最初の確定申告が青色申告でできなくなる
開業届と同じタイミングで『青色申告承認申請書』を提出することが多いのですが、開業届を出し忘れているということは、青色申告承認申請書も出していないことでしょう。青色申告承認申請書の提出期限は開業から2ヶ月以内と決まっています(新規開業の場合)。
確定申告をまだしたことがない方はピンと来ないかもしれませんが、青色申告と白色申告では節税効果が大きく違います。条件や申請方法にもよりますが、控除額が最大65万円変わります。
また、開業当初は準備に経費がかかって赤字になるケースもありますが、赤字がある場合には青色申告にすることで赤字を翌年に繰り越して翌年以降の所得と相殺ができます。
この場合も、青色申告に切り替えておく必要がありますので、開業届と青色申告承認申請書の提出は必須になります。
つまり、個人事業主としてしっかり節税したいなら確定申告を青色申告にすべきなのです。開業届を出し忘れているということは、青色申告承認申請書も出していないことでしょうから、税金面で損をしてしまう可能性が考えられます。
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融資を受けたり屋号付き口座などが作れなくなる
特に確定申告がまだの個人事業主は、開業届がきちんと事業を行っているという証明の1つになります。
例えば、事業関連の融資を受けようとした時、借入先から開業届の控え提出を求められることが多くあります。銀行で屋号付き口座を開設しようとした時も開業届の控え提出が求められることがほとんどです。
開業届を出していないことで、このような事業のための準備や手続きにも影響が出てきます。また、開業届を出していないことで何をしているかも分からないので、取引先やお客様の不信感に繋がることも考えられます。
開業届を出し忘れていても確定申告はしなくてはならない
さらに忘れてはならないことが、たとえ開業届を出し忘れていても確定申告をする義務からは逃れなれないということです。開業届の出し忘れには罰則はありませんでしたが、確定申告をしない・遅れることでの罰則や増税は十分に起こり得ます。
確定申告をすべき人の要件
全ての人が確定申告の義務があるとは限りません。所得が低い方は控除によって課税所得がマイナスになり得るので、確定申告が不要になることがあります。
基本的に年間の所得が38万円を超えると確定申告の必要性が出てきます。所得とは【売上-経費】です。
副業などで売上が僅かな方は不要になるかもしれませんが、個人事業主の本業として事業を行っていくのでれば開業届の提出も確定申告も必要です。
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確定申告まで放置した場合のリスク
この期に及んで確定申告まで放置しようと思っている方は少ないでしょうが、もし確定申告にまで遅れてしまったらどうなるのでしょうか?
確定申告をしていないことで、本来納めるべき税金に+15~20%の無申告加算税を加えた税金を納める必要が出てきます。
例えば、30万円の税金があった場合にはプラスで4.5万円が加算税です。所得が発生しているのに納税は逃れられませんし、このように余計な税金が加わってしまいます。
税務署や取引先、お客様からの印象も悪くなってしまいますので、開業届の提出と期限内の確定申告は個人事業主の義務としてしっかり行っていきましょう。
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開業届を出し忘れた時の対処法と注意点
すでに開業届を出し忘れており、提出期限を過ぎてしまっている方のために、期限を過ぎて開業届を提出する方法や注意点をご説明します。
出し忘れに気付いた時点で早めに提出する
繰り返しますが、開業届の提出期限を過ぎたからといって罰則を受ける心配はありません。ただし、提出していないことでのデメリットはありますので、出し忘れに気付いた時点ですぐに開業届を作成して提出するようにしましょう。
特に『青色申告承認申請書』の提出は、開業届の提出期限よりも後にありますので、まだ間に合う可能性もあります。
そのまま放置していても損をするのはあなた自身ですから、できる限り優先的に対処しておきましょう。以下の記事を参考にしながら、開業届を作ってみてください。
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開業届提出前の売上や経費の計上
開業届を出し忘れている方で気になることと言えば、すでに事業がスタートしており、必要経費の支払いや売上が発生している場合です。開業届には『開業日』を記入する欄もあるので、開業日以前をいつにするのか?という疑問も出てきますね。
開業日に関しては、実際に事業がスタートした日にちを書き(実店舗ならオープン日、それ以外は売上が発生する日など)、売上・経費はその年の1月1日からの分を確定申告で計上すれば良いです。
ただし、開業日を過ぎて出し忘れている場合は、青色申告承認申請書等の提出期限と関係してくるケースもあります。税務署職員と相談しながら、できる限り他の書類の提出期限が間に合う形で開業日を決めていくようにしましょう。
開業届の提出期限は、原則的に開業してから1ヵ月以内となっています。また、節税効果が高い青色申告を行うための申請『青色申告承認申請書』の提出期限は開業から2ヶ月以内です。 それぞれ、手続きが難しい書類でもないので開業した(もうす[…]
開業に関連する必要書類も一緒に提出する
個人事業主として開業するには、開業届さえ出せばよいのですが、併せて提出しておいた方が良い書類もいくつかあります。提出期限も開業届と近いものが多いですから、一緒に提出することも忘れずにしておきましょう。
個人事業主として事業をスタートするには、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)の提出が必要です。 仮に開業届を提出しなくても特に罰則などは無いのですが、提出が遅れると税金面などであなた自身が損をしてしまう可能性があります。提出期限は開[…]
青色申告承認申請書
何度か触れましたが、青色申告にするには青色申告承認申請書の提出が必要です。青色申告は節税効果も大きく申請書を提出して帳簿作成を少し丁寧に行うだけで良いので、個人事業主としてしっかり税金を抑えたいのであれば、まずは取り組むべき節税方法です。
青色申告で確定申告をするためには、事前に青色申告承認申請書を提出する必要があります。 確定申告には白色申告と青色申告の2種類ありますが、青色申告は節税などのメリットもあり、多くの人が青色申告で確定申告をする理由の一つだと思います。 […]
青色事業専従者給与に関する届出書所
ご家族に青色事業専従者として働いてもらうには、青色事業専従者給与に関する届出書を提出する必要があります。こちらの提出期限も青色申告承認申請書と同じ開業日から2ヶ月以内となっています(新規開業の場合)。
給与支払事務所等の開設届出書
従業員を雇って給与を支払う場合には、給与支払事務所等の開設届出書の提出が必要となります。従業員を雇って給与を支払うことが決定してから1ヶ月が提出期限です。
源泉所得税に納期の特例の承認に関する申請書
従業員に給与を支払う場合、源泉徴収税に納期の特例の承認に関する申請書も提出することをおすすめします。こちらの書類を提出することで、本来は毎月収めるべき源泉徴収を年2回にまとめて納付することができるようになります。
提出期限はありませんが、提出しないとわざわざ毎月源泉徴収をおさめに行かないとならないので、従業員を雇う事業主の方はできる限り早めに対処しておきましょう。
まとめ
開業届を出し忘れても特に罰則はありません。ただし、確定申告をする必要性がある方が確定申告まで忘れてしまうと罰則が生じてきます。
また、青色申告にできるタイミングが遅れたり、事業用口座の開設や借入れができなかったりするデメリットが起こりえます。
すでに事業がスタートして出し忘れているという方でも、気付いた時点ですぐに開業届とその他書類を作成して提出しに行くようにしましょう。
当サイトでは開業届の書き方や提出に関する記事も公開していますので、参考にしながら作成・提出してみてください。
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