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個人事業主が覚えておきたい経費19種類|意外に経費になるものも多いので要チェック

個人事業主として確定申告などをされる方は、どのような経費があるのか?その種類について気になるところですね。

実際に経費には様々な種類があり、確定申告で提出する収支内訳書にも多くの経費の勘定科目があります。

今回は、個人事業主が経費計上する時の基礎知識として、経費の種類についてご紹介していきたいと思います。

この記事で分かること
個人事業主がよく使う経費の種類
プライベート兼事業用でお金を使った時の家事按分
高額な費用を使った時の減価償却

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大前提として経費にできるものは事業に関する支払いのみ

具体的な経費の種類をご紹介する前に、まず大前提として理解しておいて頂きたいことが、どのような費用であれ事業に関係した支払いしか経費にはできないということです。当たり前のことですけどね…。

下で「電車賃は交通費として経費にできる」というようなことをお伝えしますが、これはあくまでも事業のために移動した時の電車賃の話であって、遊び行った時の電車賃を経費にしてはいけません。

逆を言えば、元々は個人的に契約していた自宅の家賃や携帯料金なども、開業後に事業で使っているようであれば家事按分して一部を経費にすることができます。

特に開業したての方は、家事按分のことを知らずにもったいないことになっていることも多いので、知らなかったという方はぜひ後半でお伝えする「家事按分」の内容も理解していただければと思います。

経費の種類一覧と具体的な支払い内容の例

それでは、こちらでは実際に確定申告の時に提出する、収支内訳書や損益計算書にある勘定科目と具体的な支払い内容の例をお伝えしたいと思います。

消耗品費

経費の中でも身近なものである消耗品費は、1つあたりの価格が10万円未満の物となります。10万円以上する物については、後でお伝えするように数年に分けて減価償却していく必要があります。

消耗品費の主な例

文房具・用紙・インク・伝票・電球・事務机・椅子・棚・黒板・電話(本体代)など

価格が10万円しない物に関しては、大抵が消耗品費になるかと思います。

【関連記事】
消耗品費の種類と雑費との違い

旅費交通費

俗に言う交通費のことです。電車賃やバス賃のような交通機関の料金以外にも、遠方に行った場合の宿泊費も旅費交通費として経費にできます。また、自家用車がある方は、ガソリン代も家事按分して交通費にできます。

交通費の主な例

交通機関の賃料・回数券・有料道路代・ガソリン代・時間制の駐車場料金・宿泊費など

交通費は領収書が貰えないこともあるかと思いますが、その場合、出金伝票を作成しておいて代用することも可能です。交通費に関して詳しい内容は以下の記事も参考にしてみてください。

【関連記事】
旅費交通費とは?通勤手当との違いや経費にできる内容と仕訳例
交通費として経費にできる支払いの種類と領収書がない場合の対処法

接待交際費

取引先や仕入先などの事業の上で関係する人物や団体などとの飲食代や接待は接待交際費という経費の種類になります。法人の場合は交際費に上限がありますが、個人事業主には特に上限はありません。

接待交際費の主な例

飲食代・接待ゴルフ・旅行・お中元・お歳暮・慶弔見舞金・手土産など

交際費というと飲食代がまず思い浮かびますが、取引先などに対するお中元やご祝儀などの贈り物の費用も接待交際費として経費にできます。また、接待に行った際の宿泊費や交通費は接待交際費の勘定科目にします。

【関連記事】
接待交際費にできるもの・できないもの
個人事業主の交際費にできる範囲

地代家賃

地代家賃は、事務所や店舗などの物件を借りた場合に発生する賃料に対する経費の種類です。個人事業主の方であれば事務所などは借りずに自宅で作業をされている方も多いと思いますが、その場合、自宅の家賃を家事按分して一部を経費にすることも可能です。

地代家賃の主な例

事務所や店舗の家賃・社宅の家賃・共益費・土地の貸借料・月極駐車場料金・レンタルオフィス・トランクルームなど

家賃以外にも、月極駐車場料金やレンタルオフィスなどの料金も地代家賃になります。

繰り返しますが、元々プライベート用で借りていた自宅などの家賃でも事業で使っている部分があるのでしたら一部を経費にできる可能性があります。以下の記事を参考にしてみてください。

【関連記事】
地代家賃とは?自宅を地代家賃にする計算方法と決算書の書き方

通信費

インターネット代や携帯料金など、通信に使う費用は通信費という経費になります。通信費も事業用兼プライベート用となっている支払いであれば家事按分して一部が経費にできます。

通信費の主な例

インターネット料金・電話料金・はがき代・切手代など

【関連記事】
通信費の勘定科目を使ってしっかり経費に!
携帯代も経費計上できる!

水道光熱費

電気代や水道料金などの経費の勘定科目です。自宅で作業をしている方は電気代も家事按分して経費にできますが、水道料金やガス料金については事業と関係ないことが多く、関係ないのであれば経費にすることもできません。

水道光熱費の主な例

電気代・水道料金・ガス料・灯油代など

【関連記事】
水道光熱費の勘定科目を使ってしっかり経費に!
電気代は経費計上可能!

広告宣伝費

チラシや広告掲載などの事業の宣伝のために使った費用は広告宣伝費という経費になります。

広告宣伝費の主な例

チラシ作成費用・ポスティング費用・インターネット広告料・新聞広告料・看板製作費など

【関連記事】
広告宣伝費にできる費用の種類と接待交際費との違い

外注工賃

内装工事やホームページの制作料など、外部の業者に委託して業務をお願いした場合の経費で外注費とも呼びます。

外注工賃の主な例

内装工事費・ホームページ制作費・デザイン料・営業代行など

【関連記事】
外注工賃と給与賃金の違い。どっちで処理した方がお得?

修繕費

事業で使っている機械や建物の修理やメンテナンスをした時の費用に対する勘定科目です。

修繕費の主な例

パソコンの修理代・建物のクロス替え・コピー機のメンテナンスなど

【関連記事】
修繕費と資本的支出の違い

荷造運賃

商品や荷物の配達を業者にお願いした時の送料や、段ボールや小包などの梱包材は荷造運賃となります。

荷造運賃の主な例

送料・郵便手数料・段ボール・ガムテープ・発泡スチロールなど

【関連記事】
荷造運賃にできる支払いの種類と通信費との違い

租税公課

租税公課は、税金や公的な支払いを経費にする時に使う勘定科目です。繰り返しますが、事業に関係する支払いのみ経費にすることができますので、経費にできる税金とできない税金があります。

代表的な税金の所得税と住民税は、個人に対して課せられる税金なので経費にはできませんが、個人事業税や固定資産税などは経費になります。また、罰金や追徴課税なども経費にできません。

租税公課の代表的な例

個人事業税・印紙代・固定資産税・自動車税・公共団体や商工会などの会費など

損害保険料

事業に関わる物に対して損害保険料に加入した場合、その保険料も経費になります。また、自宅の火災保険や自動車の保険など、事業兼プライベート用の物があれば、こちらも家事按分して一部を経費にできます。

損害保険料の主な例

火災保険料・自動車保険料・自賠責保険料など

減価償却費

減価償却費とは、1つあたり10万円以上する物を買って、数年に分割して経費にする時に使う勘定科目です。

事業に使う高額な物には以下のような物があります。

減価償却費の主な例

自動車・パソコン・コピー機・業務用機械など

貸倒金

貸倒金とは、売掛金や貸付金を回収できなくなった時に損金扱いにするための勘定科目となります。

貸倒金の主な例

売掛金・貸付金・未収金など

利子割引料

利子割引料は、借入した時の利息の部分を経費にする時に使う勘定科目です。

利子割引料の主な例

利息・住宅ローン・車のローンなど

給与賃金

給与賃金は、従業員に支払った給与の勘定科目ですね。青色専従者に対する給与は、下の専従者給与になります。

専従者給与

青色専従者に対する給与はこちらの専従者給与となります。

福利厚生費

福利厚生費とは、従業員の労働意欲を向上させる目的に使われた経費となります。

福利厚生費の主な例

慰安旅行費・従業員の健康診断料・研修費用など

雑費

ここまでご説明してきた勘定科目にどれも当てはまらなかったり、曖昧な場合、雑費として処理することが多いです。

ただ、勘定科目が雑費にばかりなっていると、後から帳簿を見返した時に何に使っているのか分かりにくくなりますので、なるべくは使わない方向性でいた方が良いでしょう。

雑費の主な例

粗大ゴミ処理費用・引っ越し費用・クリーニング代など

経費(勘定科目)の種類は全部覚える必要はない

ここまで経費の種類についてお伝えしてきました。ざっと説明しただけでもかなりの種類がありましたね。

全部無理に覚える必要はありませんが、よく使いそうな勘定科目は覚えておくと良いでしょう。実際には帳簿などを付けていくことで自然に覚えていけるようになると思います。

また会計ソフトを使うことで、取引内容から自動で勘定科目を予測してくれたり、勘定科目を選択するだけだったりとかなり便利になってきています。

経費の種類に悩む時間を短縮できる以外にも、口座連携での収支の自動記録やレシート撮影での自動読み取りなど、帳簿作成や確定申告がかなり楽になってきますので、まだ使ったことが無い方はぜひ一度会計ソフトを試してみることをおすすめします。

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最低限覚えておきたい一部の経費を計上する時に使う特殊な計算方法

経費の種類については全てお伝えしましたが、経費計上するにあたって知っておきたい少し特殊な経費の出し方についてこちらでお伝えしたいと思います。

上でも度々登場していた『家事按分』と『減価償却』についてです。ちょっと特殊ですが、しっかり理解しておくことできちんと漏れなく経費にできるようになりますので、ぜひ覚えておきましょう。

家事按分|プライベート兼事業用で使っている支払いで行う

家事按分とは、事業用としてもプライベート用としても使っている物に対する費用の、事業で使っている分を経費にすることです。

例えば、家賃10万円の家に住んでいて家の中の約3割を事業で使っていたとすれば、家賃の3割(3万円分)も経費にするという考えですね。

この割合を求める厳密な計算式はなく、実際に使っている量や時間の割合で計算します。

青色申告では事業で使っている割合が少なくても一部を経費にすることができますが、白色申告の場合、半分以上を事業で使っていなければ家事按分はできずに一切経費にすることができなくなります。

他にもメリットは多いですので、確定申告は青色申告で行うようにしておきましょう。

【関連記事】
家事按分のやり方まとめ

減価償却|高額な経費は数年間に分けて計上する

1つあたりの価格が10万円以上する物に関しては、1回で経費にするのではなく、一定期間に分けて毎年分割して経費にしていきます。

例えば、事業用の自動車を120万円で購入した場合、耐用年数6年で割って毎年20万円ずつを経費にして償却していくということです。

減価償却の考え方には、毎年同じ金額で償却していく考え方(定額法)と早い時期に高めの金額を償却していく考え方(定率法)があります。

計算は少し複雑になりますが、国税庁が出している耐用年数よりも早めに買い替える予定の方は定率法の方が良いかと思います。

減価償却についても、白色申告では10万円以上と対象の金額が低いですが、青色申告にすることで30万円以上にまで減価償却の対象金額も上がっていきます。

【関連記事】
減価償却の考え方

まとめ

今回は、個人事業主の方が関わってくる経費の種類を19種類ご説明させていただきました。

特に「どの支払いはどの勘定科目にしないといけない」というような厳格な決まりはありませんので、「こんなに経費にできる種類があるのか~」という程度の認識は持っていただければと思います。

また、今回お伝えした家事按分のように実は経費にできる支払いが日常の中にも潜んでいることが多いので、ぜひ一度身の回りの支払いを振り返ってみると良いと思います。

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