事業所得を得ている個人事業主の方などは確定申告をすることになると思いますが、確定申告をする人には帳簿の作成義務もあります。
帳簿と一言で言っても種類は様々ありますし、確定申告のやり方や帳簿の書き方によって必要な帳簿の種類も変わってきます。
白色申告 | 青色申告 | ||
記帳方法 | 簡易簿記 | 簡易簿記 | 複式簿記 |
控除額 | なし | 10万円 | 65万円 |
作成義務がある帳簿 | ≪補助簿≫ ・現金出納帳 ・預金出納帳 ・買掛帳 ・売掛帳 ・経費帳 ・固定資産台帳 |
≪補助簿≫ ・現金出納帳 ・預金出納帳 ・買掛帳 ・売掛帳 ・経費帳 ・固定資産台帳 |
≪主要簿≫ ・仕訳帳 ・総勘定元帳≪補助簿≫ ・現金出納帳 ・預金出納帳 ・買掛帳 ・売掛帳 ・経費帳 ・固定資産台帳など |
参照:「確定申告で必要な帳簿の種類」
他にも帳簿の種類はいくつかありますが、最低でも上の表に出した帳簿は必要になる可能性が高いです。
特に初めて確定申告をする方は、確定申告の計算や書類を書くだけでも大変なのにこんな大量の帳簿なんかとても作っていられませんよね…。
しかし、基本さえ理解して準備段取りして取り組めば、簿記の知識が無い方でも帳簿を作ることはできてしまいます。
今回は、確定申告で必要な帳簿の種類や作り方について解説していきたいと思います。
この記事で分かること |
❶ 確定申告で必要になる帳簿の種類 ❷ 実際の帳簿の作り方 ❸ 帳簿の保存期間 |
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確定申告で必要になる帳簿の種類
冒頭で簡単にお伝えしましたが、まずは確定申告で必要になる帳簿の種類からお伝えしていきたいと思います。
確定申告で必要になる帳簿一覧|確定申告のやり方で必要な帳簿が変わる
確定申告には帳簿の作成義務があり、最低限以下の帳簿が必要になってくるでしょう。
白色申告 | 青色申告 | ||
記帳方法 | 簡易簿記 | 簡易簿記 | 複式簿記 |
控除額 | なし | 10万円 | 65万円 |
作成義務がある帳簿 | ≪補助簿≫ ・現金出納帳 ・預金出納帳 ・買掛帳 ・売掛帳 ・経費帳 ・固定資産台帳 |
≪補助簿≫ ・現金出納帳 ・預金出納帳 ・買掛帳 ・売掛帳 ・経費帳 ・固定資産台帳 |
≪主要簿≫ ・仕訳帳 ・総勘定元帳≪補助簿≫ ・現金出納帳 ・預金出納帳 ・買掛帳 ・売掛帳 ・経費帳 ・固定資産台帳など |
お気付きかと思いますが、確定申告のやり方や帳簿の付け方によって必要になる帳簿の種類も変わってきます。まずは、ご自身がどの方法で確定申告をして、それによってどの帳簿が必要になってくるのかを知っておきましょう。
必要に応じて帳簿を作成する
ただ、あくまでも上の一覧は必要になる可能性が高い帳簿のことで、絶対必要というわけでではありません。
例えば、売掛帳は売掛金が発生した時に付けておく帳簿ですが、事業で売掛帳が生じないのであれば作る必要もありません。
どのような場合に必要で、具体的にどのような書き方をすればいいのかは、上の帳簿のリンク先をご覧ください。
白色申告をする人の帳簿作成
2014年以降、白色申告の方でも帳簿を作っておく必要性が出てきました。
白色申告の場合、簡単な方の記帳方法『簡易簿記』で帳簿を作ってけっこうなのですが、それでも補助簿の
- 現金出納帳
- 預金出納帳
- 買掛帳
- 売掛帳
- 経費帳
- 固定資産台帳
が必要になってきます。
それぞれの帳簿は、作る手間や簿記知識をそこまで必要としませんが、それでも種類が多いので帳簿を付ける取引をした時はその都度帳簿に付ける習慣を付けておきたいですね。
【関連記事】
「簡易簿記とは?確定申告の簡易簿記を比較!」
「補助簿の種類や必要性と書き方・作り方まとめ」
青色申告をする人の帳簿作成
青色申告をする場合、簿記方式が『簡易簿記』と『複式簿記』の2種類から選ぶことができます。
複式簿記にすることで控除額が65万円にまで上がり、それだけで税金が10万円程度下がってきますが、帳簿作成は難しくなります。どちらを選択するかをしっかり考えた上で簿記方式を選びましょう(著者は複式簿記がおすすめです)。
簿記方式は青色申告承認申請書に書く欄がありますが、後から変更も可能です。ただし、青色申告承認申請書には提出期限があり、期限を過ぎてしまうとその年は白色申告でしか申告できなくなるのでご注意ください。
【関連記事】
「青色申告で必要な帳簿の種類は?」
「青色申告承認申請書の書き方」
簿記方式が簡易簿記の人|青色申告特別控除10万円
青色申告で簡易簿記を選択した人は控除額が10万円になります。ただ、実際のところ必要な帳簿は白色申告でお伝えした帳簿と同じです。
やること自体は白色申告と変わらないのに、青色申告にするだけで控除が10万円増えます。さらに、専従者給与として経費にできたり赤字を繰り越せたりと、青色申告にはメリットが多いのでまだの方はぜひ青色申告を前向きに検討してみてください。
繰り返しますが、青色申告には事前申請が必要になるのでお早めに。
【関連記事】
「簡易簿記とは?確定申告の簡易簿記を比較!」
「補助簿の種類や必要性と書き方・作り方まとめ」
簿記方式が複式簿記の人|青色申告特別控除65万円
青色申告で簿記方式を複式簿記にすることで、控除額が65万円にまで上がります。お伝えした通り、この控除の差だけで税金が10万円程度下がる大きなインパクトです。
ただ、複式簿記にすることで、必要な帳簿に主要簿の
- 仕訳帳
- 総勘定元帳
が追加されます。
この2つの帳簿がけっこう手間がかかり、取引毎に随時帳簿に残しておく必要があります。しかも、簿記方式も複式簿記なので、簿記の知識が無い方は最初なんのことだかサッパリでしょう…。
複式簿記にすると、労力も知識も必要になってくるので、全部自力でやるのは少し難易度が高いです。そこで、後でもお伝えする会計ソフトを上手く使って手早く終わらせてしまいましょう。
【関連記事】
「複式簿記の重要性とその書き方や帳簿の作り方」
「主要簿の目的や必要性は?」
確定申告で必要な帳簿の基本的な書き方
ここまでで確定申告に必要な帳簿の種類は分かってもらえたかと思いますが、初めて確定申告をする方はそもそも「帳簿って何を書けば良いの?」という状態だと思います。
こちらでは、簡易簿記と複式簿記のそれぞれの帳簿の書き方の基本をお伝えしたいと思います。
たしかに面倒ではありますが、実際に書いてみるとある程度は形にすることができますし、なによりご自身の事業での財政状況などが客観的に分かってきますので、肩の力を抜いて前向きに取り組んでみてください。
簡易簿記の書き方のキホン
白色申告や青色申告の10万円控除では、簡易簿記で帳簿を付けます。
お伝えした通り、簡易簿記は2つの記帳方法のうち簡単な方法なので、簿記の知識が無い方でも難なく帳簿を付けることができるでしょう。
簡易簿記での帳簿の付け方を分かりやすく言うと、家計簿を付けるような感覚です。
基本的に『いつ・何に・いくら使った』かを書けば良いので、複式簿記で必要な勘定科目5つの要素のポジションなども覚えなくてけっこうです。
取引(入出金)が少ない方であれば、手書きやエクセルなど自力で帳簿を作っていくこともできるでしょう。
【関連記事】
「簡易簿記とは?確定申告の簡易簿記を比較!」
複式簿記の書き方のキホン
一方、複式簿記は5要素のポジションを覚えたうえで、そこから仕訳をして仕訳帳に転記→総勘定元帳に転記と、覚えることもやることも増えてきます。
自分の力だけで複式簿記で帳簿を付けようとすると、簿記の知識が無いと難しいでしょうし、毎回の取引で複数の帳簿を付ける必要があるのでかなりの労力を要します。
複式簿記で確定申告をする方は、ぜひ前向きに会計ソフトなどのツールを使うことを検討してみてください。
【関連記事】
「複式簿記の重要性とその書き方や帳簿の作り方」
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確定申告直前でも帳簿作成を早く終わらせる方法
それでは、こちらでは実際にどうやって帳簿を作っていけばいいのかをお伝えしていきたいと思います。
確定申告直前になって、帳簿の必要性に気付いてアタフタしている方も少なくないと思います。しかし、会計ソフトを使えばそんな問題も解決することができます。
クラウド会計ソフトがかなりおすすめ|事業をされている方
度々おすすめしていますが、確定申告に必要な帳簿を簡単に作成するには、会計ソフトの利用をぜひ前向きに検討してみてください。
帳簿は1つだけではなく、複数必要だということは分かったかと思いますが、会計ソフトを使えば1度の取引を入力するだけで複数の帳簿を自動作成してくれます。後は確認・印刷して保管しておくだけ。これなら簿記の知識が無い方でも複式簿記まで作れてしまいます。
また、取引内容の記録も銀行口座などと連携させて自動で記録してくたり領収書をスマホでの撮影して読み取ってくれたりと、入力の手間も極限まで省いてくれます。
特におすすめなのが、わざわざソフトを買わなくてもアカウント登録してログインするだけで使えるクラウド会計ソフトです。
公式サイト | 解説記事 |
「freeeの無料プランでできること」 「freeeの料金は?」 「freeeの評判は?」 |
|
「MFクラウドが無料でできること」 「MFクラウドの料金」 「MFクラウドの評判は?」 |
|
「やよいオンラインシリーズの無料プランでできること」 「やよいのクラウド確定申告の評判」 |
【関連記事】
「クラウド会計ソフトを使うメリットとおすすめクラウド会計ソフト比較」
代表的なクラウド会計ソフトは3社ありますので、ぜひいずれかを試して使ってみてくださいね。
無料で試すことができる
さらにクラウド会計ソフトのメリットは、無料で使い始めることができるということです。初めて会計ソフトを使うという方は少なからず抵抗があるかとは思いますが、無料ならお試しで始めやすいですね。
無料と言っても、ある程度の機能は使えるようになるので、これは使わない手はありませんね。どれほど便利なのかをご自身で体感してみてください。
料金も年間1万円程度
また、有料版に切り替えてもだいたい1年1万円程度の料金で済みます。
複式簿記にすることで65万円控除が発生し税金が10万円程度下がるとお伝えしましたが、会計ソフトを使ってしっかり複式簿記にすることで、たしかに一旦会計ソフト分の支出はありますが、トータルで見れば税金分得になるのです。
もちろん時間短縮に繋がることも言うまでもありません。会計作業関係も全部自分でやっている個人事業主の方であれば、時間とお金の大事さはよく分かっていることでしょうから、省ける支出や時間は賢く削減していきましょう。
手書き・エクセルでの作成は勉強中の方向け
一方で、今でもノートやエクセルなどで自力で帳簿作成をされている方もいます。
たしかに簿記の勉強をしっかりしてきちんと覚えていきたいという方は、自分で手を動かした方が一番覚えられます。
簿記資格を目指していたり勉強中の方であれば、書店やアマゾンなどに各帳簿のノートが1,000円くらいで売ってあったり、インターネットで「帳簿名 フォーマット」で検索すればフォーマットも検索に出てきます。
帳簿の保管期限|確定申告が終わっても帳簿は保管しておこう
最後に、作成した帳簿には保管期限もありますので、確定申告が終わって時間が経ったから捨ててしまった。なんてことにならないように気を付けてしっかり保管しておきましょう。
確定申告で帳簿は提出しない
まず、確定申告のために帳簿を作ったからといってそれを提出するということはありません。
帳簿はどのような取引が行われていたのかを残しておくものですが、それを税務署が確定申告の時にわざわざチェックしたりはしません。
ただ、もし確定申告の内容に間違いや不明点などがあり、税務調査などされることになったら作成した帳簿が大事な大事な証拠となります。
税務調査は数年後にふと訪れることもありますので、年が変わったからすぐ捨てるのではなく、数年間保管しておく必要があるのです。
白色申告は5年。青色申告は7年保管しておく
税法では、
- 白色申告:5年
- 青色申告:7年
の帳簿の保管期間が決められています。けっこう長いですね。
数年後にもなると、帳簿や領収書(領収書の保管期間も同じです)の数もかなりのものになってきますので、保管場所もしっかり確保しておくようにしましょう。
ちなみに、帳簿の保管方法は紙が原則となっています。会計ソフトで帳簿を作った方は、印刷して保管しておくことが一番です。
まとめ
今回は確定申告に必要な帳簿の種類や作り方についてお伝えしました。
帳簿といってもけっこうな種類がありましたね。事業をされている方であれば、営業や経営をしながら会計作業もこなすとなればとても時間が足りません…。会計ソフトなどの時間削減にも繋がるツールを上手く使って、賢く控除を受けながら確定申告を終わらせていきましょう。
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